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内容説明
1990年代後半に誕生した、ロボット犬「アイボ」。持ち主たちは、本物の犬のように成長を見守り、不具合があれば修理専門のクリニックに連れていった。なぜなら、アイボには心があり命があると信じたからだ。しかし年月を経て、クリニックは受け付けを終了する。救いを求める、持ち主たちの思い。技術者たちは、彼らの声に耳をかたむけ、アイボを受けつぐ新たな道を切りひらく。
目次
プロローグ おじいちゃんになったロボット犬
1 ア・ファンという会社
2 よみがえれ!アイボ
3 アイボ・命の旅の終わり
4 初めてのアイボ供養
5 ロボットの心はだれの心?
6 アイボによるアイボのための供養
7 ありがとう!アイボ
エピローグ アイボよ、命尽きるときまで
著者等紹介
今西乃子[イマニシノリコ]
大阪府岸和田市生まれ。航空会社広報担当などを経て、児童書のノンフィクションを手がけるようになる。執筆のかたわら、愛犬を同伴して行う「命の授業」をテーマに小学校などで、出前授業を行っている。日本児童文学者協会会員
浜田一男[ハマダカズオ]
1958年、千葉県生まれ。東京写真専門学校(現東京ビジュアルアーツ)卒業。1984年にフリーとなり、1990年写真事務所を設立。第21回日本広告写真家協会(APA)展入選。企業広告・PR及び雑誌・書籍の撮影を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あまね
5
壊れたアイボを治す技術者の奮闘。オーナーたちは本物の犬のようにアイボをかわいがり、壊れても機械のように割り切れない。アイボの部品を「献体」し、「葬儀」まで行われたのはニュースで見ていた。「ロボットにも心があるというのは、ロボットにも心があるんだと思う人間の『心』なんです」 話は日本人らしい美談でもあるが、AIが普及していく中で、ロボットと人間の関係についても考えさせられた。ペッパーやロボホンを迎え入れた人たちは、その最後の時、どうするのだろう。2016/07/01
西澤 隆
4
生き物の形をしたものには必ずなにかが宿る。「人は死ねばゴミになる」という本もあったけれど、残されたひとがその「ゴミ」に思い入れや畏れなどいろんな気持ちを持っていれば、それこそが魂と呼ばれるべきものなのかも。僕自身はaiboの仕草や形には愛着を感じない人間だけれど「とても手に馴染んだ道具」に対しての愛の延長線上で想像しました。大切な万年筆や時計のように、たとえばPCを使い続けることは難しい。それと似ているところがあるんだろうな、と。児童書としてのこの本が「物への愛着」という意味でもこどもに伝わりますように。2016/10/02
うさぎ
4
キャッチコピーは「ソニー製ではない、ソニー生まれである」だった。単なる機械ではなくAIが搭載されたAIBOは、飼い主の接し方の違いで個性が生まれ、様々な性格に成長する。日本では万物に魂が宿る。外国人には奇妙に映るだろうか、針塚や筆塚も存在する。AIBOにも当然、魂が宿る。確かな一つの命である。しかし、命があるものには必ず死が訪れる。今は全国から「献体」が集まるが、それにも限りがある。直せば動くロボットは、まだ死の線引きが曖昧で、それ故の苦悩もあるようだ。何をもって死と見なすのか?飼い主は切実だ。2016/06/30
おはなし会 芽ぶっく
2
29年度6年生ブックトーク授業2017/07/18
Ann
1
2006年に生産終了となったロボット犬アイボ。そして2014年3月にアイボの修理サポートサービス「アイボクリニック」が閉院した。修理を希望するオーナーたちのために、元ソニー社員の技術者たちが立ち上がった。オーナーたちにとって、アイボは単なるロボットではなく心を持った愛しい飼い犬なのだ。技術者たちのアイボを救う活動は、修理用部品をとるためのアイボ献体寄付や献体供養など話題にもなった。感動の実話。2017/07/02