出版社内容情報
創作読み物 低学年から
町はずれのでんわボックスに、あかりがともるころ、びょうきのおかあさんにでんわをかけにくる男の子と、それをそっと見まもる子どもをなくした母ぎつねとの、交流を描いた心あたたまるファンタジー。 全国学校
図書館協議会選定
内容説明
山のふもとにあるふるいでんわボックスでのできごとです。子どもをなくしたかあさんぎつねとにんげんの男の子のおはなしです。やさしいおじいさんや、とおい町ににゅういんしている男の子のおかあさん。かあさんぎつねは、とおい町にまいにちでんわをかけている男の子にであいました。小学校1・2年生むき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
115
猫絵本『だんまり』がたいへんよかったので、同じ作者さんのこの絵本も手に取ってみました。優しい雰囲気にあふれた絵に、まず胸の中が暖かくなります。そして、読み進むにつれて涙が止まらなくなりました。 「ぼうやがうれしいと、かあさんはいつもうれしいの」。でも、その坊やは天国に召されてしまいました。自分の子を想いながら人間の少年を抱く場面は、たまりません。母さんぎつねの優しく切ない気持ちが胸に沁みわたります。2021/10/22
はる
69
何て切なくて、あたたかい…。幼い子を失ったばかりの母親きつね。押し寄せる悲しみに何もすることが出来ない。そんなある日の夜、山のふもとにポツンと立つ電話ボックスに、小さな人間の男の子を見つけます……。優しい優しい。母親きつねの心情が痛いぐらい伝わってきて…胸が詰まります。たかすかずみさんの柔らかな絵もとてもいい。哀しいけれど、良い物語でした。2022/09/24
zero1
65
他人の幸せを願うのは、誰でも同じ。キツネの母子と死。死ねば悲しいのも、みんな同じ。そこに今では少なくなった電話ボックス登場。離れた母子が寂しいのも同じ。誰かを助けたいという気持ちを持つことの意味。携帯端末全盛の時代だからこそ、こうした絵本には存在価値がある。入院した母と子の話は「となりのトトロ」にも通じる。キツネと人間の関係は、「手袋を買いに」(新見南吉)でも用いられた。「いつでも会える」(菊田まりこ)、「スーホの白い馬」(大塚勇三・再話)と並ぶ、「泣ける動物絵本」の代表的な一冊。暖かい絵も評価したい。2019/05/24
あーさん☆転スラ·薬屋·本好き·魔導具師ダリヤ続々アニメ最高です!!(≧▽≦)
56
泣けますなぁ~(;´д`)2019/05/09
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
44
ごぎつねを亡くした母ぎつねの切ない気持ちに涙が出ました。これは読み聞かせ出来ず、一人でそっと読みました。2019/02/08