内容説明
一八八九(明治二十二)年、十月―。アメリカの帆船チェス・ボロー号が、青森県津軽海峡沖を航海中、はげしい嵐にみまわれた。船は「魔の浅瀬」に乗りあげ、まっぷたつに折れて沈没する。乗組員二十三名は、みな無残にも海へ放りだされた。ひとり、ふたりと浜へ流れつく異国の船乗りたちを救うため、車力村の人びとは、懸命の作業を続けた。人命の尊さを見つめる、感動のノンフィクション。
目次
第1章 チェス・ボロー号
第2章 吹きあれる海
第3章 浜の人たち
第4章 青い目に赤い髪の人
第5章 「死ぬでねえど」
第6章 ふたりは走る
第7章 四人の出立
終章 アメリカなし