出版社内容情報
《内容》 生物は生殖細胞の形成,受精,発生,複製といった営みを繰り返して存
続し,進化し続けてきた.生物は多様な種,それぞれに固有の形態,あ
るいは自己修復能をどのように獲得してきたのであろうか.長い間,生
物の生殖,発生,再生などの諸現象は不思議で神秘的なものであったが,
近年の生物学は分子生物学という強力な武器を手にし,シロイヌナズナ
などの植物,ショウジョウバエ,カエル,ゼブラフィッシュ,マウスな
どのモデル動物を駆使した緻密で洗練された研究を重ねることによって,
それら複雑な現象がどのように制御されているのか,遺伝子やタンパク
質の働きとして理解することを可能にした.本書は「細胞分化・決定」,
「位置情報」,「体軸の決定」,「細胞間相互作用」,「パターン形成」
,「幹細胞からの再生」といった動植物の発生,再生の基本概念をとりあ
げ,初期発生ばかりでなく器官形成,再生を含めた形づくりの設計図
(ボディープラン)ともいうべき分子機構について最新の知見をもとに
解説する.
《目次》
からだづくりの設計図―三胚葉の形成/前後軸に沿った構造形成の基本
プラン/中枢神経の体軸に沿ったパターン形成/左右軸の設定―左右非
対称性はいかにして生まれるか/体節形成―脊椎動物の分節性をもたら
すもの/四肢形成プラン/眼の形成/母性因子によって制御される生殖
系列の形成機構/再生の戦略/植物のパターン形成
目次
第1章 からだづくりの設計図―三胚葉の形成
第2章 前後軸に沿った構造形成の基本プラン
第3章 中枢神経の体軸に沿ったパターン形成
第4章 左右軸の設定―左右非対称性はいかにして生まれるか
第5章 体節形成―脊椎動物の分節性をもたらすもの
第6章 四肢形成プラン
第7章 眼の形成
第8章 母性因子によって制御される生殖系列の形成機構
第9章 再生の戦略
第10章 植物のパターン形成
著者等紹介
上野直人[ウエノナオト]
1984年筑波大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士。現在、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所発生生物学研究系・教授
黒岩厚[クロイワアツシ]
1980年東京大学薬学系大学院博士課程修了。薬学博士。現在、名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻・教授
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