アウシュヴィッツの歯科医

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アウシュヴィッツの歯科医

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  • サイズ B6判/ページ数 396p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784314011549
  • NDC分類 936
  • Cコード C0022

出版社内容情報

命を救ってくれたのは、
別れぎわに母がわたしに持たせた
歯科治療用の小さな道具箱だった――

1941年、ポーランドの小さな村のユダヤ人家庭で暮らしていた21歳の青年が、ナチス・ドイツの強制収容所へ送られる。歯科医の勉強を始めて1年目の彼に、母は歯の治療用具箱を持っていくよう強く勧めた。その箱が、のちのち自分と家族の命を救うことになるとは、そのときは思いもしなかった――
飢餓とシラミの蔓延する収容所生活、仲間の裏切りと拷問、家族の殺害、非ユダヤ人女性との恋、ナチスSS隊員を治療し、死体から金歯を抜く……機転と知恵を働かせながら、信じがたいほどの試練をかいくぐって奇跡的に生きのびた青年が自ら綴ったノンフィクション。

「書名に「アウシュヴィッツ」と「歯科医」の二つの単語を含む本書が目に入り、取り寄せて読んでみたところ、たちまち引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。類書とは異なった部分も多く、好著と直感した。語り口も魅力的で、「この先主人公はどうなるのだろう」とハラハラしながら先を読まずにはいられない。若い読者が、ホロコースト関連の著作の中で最初に接するのに適当なものではないだろうか。
過去を学ぶことは未来への羅針盤を持つことができるということであり、本書は、排外主義がはびこる現在の時代情況に警鐘を鳴らしてくれている。若い読者が主人公に共感をもって読み進めながら歴史の一時期を学び、本書がこの悲劇を繰り返さない一助となってほしい」(「監訳者あとがき」より)



■著訳者紹介
【著者】
ベンジャミン・ジェイコブス (Benjamin Jacobs)
1919年ポーランド西部の小さな町ドブラのユダヤ人家庭で生まれる。1941年、歯科医の勉強を始めて一年目の21歳のときに、ナチス・ドイツによって父とともに強制収容所に送られ、アウシュヴィッツ強制収容所を含む数か所の収容所の医務室や診療所で「歯科医」として働いた。戦後はアメリカに移住し、ボストンで起業する。2004年没。

【監訳者】
上田祥士 (うえだ・しょうじ)
1953年、東京都出身。1978年東京歯科大学卒業。1982年東京歯科大学大学院修了。上田歯科医院院長。東京歯科大学評議員・非常勤講師。成蹊学園評議員・校医。歯学博士。編著に『大正昭和の歯科界を生きて―― 4つの部門のパイオニア岡本清纓 歯界遍歴の足跡』(医歯薬出版)、共著に『大正自由教育の旗手――実践の中村春二・思想の三浦修吾』(小学館スクウェア)がある。

【訳者】
向井和美(むかい・かずみ)
京都府出身。早稲田大学第一文学部卒業。翻訳家。訳書にヘルゴー『内向的な人こそ強い人』(新潮社)、バジーニ『100の思考実験』、ハーディング『学校に通わず12歳までに6人が大学に入ったハーディング家の子育て』 、ウォームズリー『プリズン・ブック・クラブ』(以上、紀伊國屋書店)、ほかがある。



■目次

まえがき
第1章 移送
第2章 ポーランドの小さなユダヤ人村
第3章 電撃戦
第4章 ドイツによる占領
第5章 ドブラのゲットー
第6章 シュタイネック
第7章 ゾーシャ
第8章 クルシェ
第9章 グーテンブルン
第10章 母と姉の死
第11章 家畜用貨車でアウシュヴィッツへ
第12章 アウシュヴィッツ
第13章 フュルステングルーベ
第14章 アウシュヴィッツの歯科医
第15章 死の行進
第16章 ミッテルバウ=ドーラ
第17章 バルト海の悲劇
第18章 灼熱地獄
第19章 どこへ行けばいいのか
第20章 戦後のドイツ
あとがき

内容説明

1941年、ポーランドの小さな村のユダヤ人家庭で暮らしていた21歳の青年がナチス・ドイツの強制収容所へ送られる。歯科医の勉強を始めて1年目の彼に、母は歯の治療用具箱を持っていくよう強く勧めた。その箱が、のちのち自分と家族の命を救うことになるとは、そのときは思いもしなかった。

目次

移送
ポーランドの小さなユダヤ人村
電撃戦
ドイツによる占領
ドブラのゲットー
シュタイネック
ゾーシャ
クルシェ
グーテンブルン
母と姉の死〔ほか〕

著者等紹介

ジェイコブス,ベンジャミン[ジェイコブス,ベンジャミン] [Jacobs,Benjamin]
1919年ポーランド西部の小さな村ドブラのユダヤ人家庭で生まれる。1941年、歯科医の勉強を始めて1年目の21歳のときに、ナチス・ドイツによって父とともに強制収容所に送られ、アウシュヴィッツ強制収容所を含む数か所の収容所の医務室や診療所で「歯科医」として働いた。戦後はアメリカに移住し、ボストンで起業する。2004年没

上田祥士[ウエダショウジ]
1953年、東京都出身。1978年東京歯科大学卒業。1982年東京歯科大学大学院修了。上田歯科医院院長。東京歯科大学評議員・非常勤講師。成蹊学園評議員・校医。歯学博士

向井和美[ムカイカズミ]
京都府出身。早稲田大学第一文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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のっち♬

150
ポーランド出身のユダヤ人である著者が綴る数か所のナチス収容所での体験記録。彼と身内を救った一因は歯科医学生として重宝された点で、治療の様子はカップ・アルコナ号の悲劇と並んで貴重な証言と言える。いくら人間性を剥奪されても収容者たちは人間であり続けようとした。非ユダヤ人との極限下の悲恋や周囲が冒す様々なリスク、人間は常に「自由への希望を持ちつづけ」なければ持ち堪えられるものではない。戦況逼迫に伴う終盤の輸送も凄まじい緊迫感。あらゆる別の選択肢の悲惨な末路を鑑みると彼の強運は冷静な状況判断が導いたものだと思う。2022/01/13

kinkin

123
ユダヤ人の青年が家族一緒に収容所に送られる。母、姉との別れ、父との死別、恋人のこと、歯科の治療が出来たことで彼の運命は変わり始める、そして無事生還。アウシュビッツ収容所が有名すぎるのか他の収容所でも同様のことが多く行われていたことは知らなかった。当時収容所から生還できた人も今では少なくなっているだろう。しかし収容所は負の歴史を残した資料館にもなっているようだ。ドイツ軍というと鉄兜をかぶった極悪非道という印象も多いが中にはそうでない人も多かったのだろうな。いずれにしてもこんなことは二度と起こさないことだ。2022/05/07

M

86
ユダヤ人迫害により家族分断され身ぐるみ剥がされいくつかの強制収容所で苛烈な生活を強いられ奇跡的に生き延びた著者の実録。淡々とした語り口がかえって状況の過酷さを際立たせ読んでいて胸がつまる。歯科医学生だった著者はその技量を生かし、それが自らの命を救うことになるが、なにより著者の誠実で思いやりある人柄に人が手を差し伸べ、また神のみぞ知る運により命からがら生き抜いた。終盤、救う側のイギリスがなぜカップアルコナ号を爆撃したのか。そこに至るまで英知の限りを尽くして生き延び、解放を目の前に命を落とした何千人の無念や。2018/12/07

キムチ27

72
決して内容はソフトではないが、事実はもっと心が凍る類と思いつつ筆者の語りが淡々と綴られて行く。筆者の人柄や職業的なものからか、周囲に好感を持たれていたようだ。とは言え、収容所内での歯科医の仕事・・僅かばかりの特権では父と兄の境遇を少しだけしか良くは出来ない。従来モノ手記とは異なり「ナチス内にもめったにはいないが人格者がいた」「収容所内での自殺者は少なく、それは格別の忍耐に耐えうるよう身に着けて行くから」等は興味深い。そしてカップ・アルコナ号の悲劇。初めて知った惨劇は目を覆うもの。語られた証言は実に貴重。2018/12/09

dorebook

66
歯科医学生1年目の21歳ポーランド系ユダヤ人の筆者は、貧しいながらも両親・兄・姉と共に暮らしていたが、ナチス・ドイツによって強制収容所に移送される。以前絵本で読んだ【モーツァルトはおことわり】の楽団を思い出す場面もあり苦しくなった。忌み嫌うユダヤ人の死体から取り除いた金歯を、自身の歯の治療に使おうとする上官たちの発想には理解出来ない。系図を絶たれ、種族さえも断とうとするジェノサイドに只々そんな時私は生き残れるのだろうか。人は他人に優しくもなれ、反してここまで冷酷にもなれるのは何故なんだろうと思いつつ読了。2018/03/16

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