出版社内容情報
★★ 週刊ダイヤモンド 2008年ベスト経済書 5位 ★★
【推薦の声】
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「人間の心理を理解しなければ、商売は成功しない」
──セブン&アイHLDGS. 鈴木敏文会長がグループ幹部にすすめた本
「本書は、経済は心理学だという私の持論を、見事に解説してくれている。
大切なのは、この本から何を教訓として引き出すのかという発想力だ」
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本書が世に出たことは、とりわけ政界および経済界をリードする人々に、
喜ばれるにちがいない。
(ダニエル・カーネマン。2002年にノーベル経済学賞を受賞。)
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日常の買い物から、レストランでの食事、株式投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじまで、お金をめぐるあなたの常識を覆します。
【本書の5つの特徴】
1.クイズ形式で説く、最新の行動経済学と神経経済学のエッセンス
2.お金と経済に関わる<心の法則>のポイントを「コラム」と「教訓」で紹介
3.話題が豊富(日常の買い物、レストランでの食事、バーゲンセールでの行動、投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじの買い方、など)
4.さまざまな局面でのあなたのくせと、相手のだましのテクニックがわかる
5.考えるヒント、儲かるヒントがいっぱい
クイズ形式で、行動経済学と神経経済学のエッセンスを、やさしく説いてゆきます。「目からウロコ」、驚きの話の連続。
■三つあると真ん中を選ぶ
寿司屋のランチメニューで「特上・上・並」とあれば、「上」の注文がいちばん多い。一般に、三つの選択肢では真ん中が好まれる。売る立場でいうと、4000円と5000円の類似商品があって、値段の高いほうを「売りたい」と思えば、6000円という選択肢を追加すればよい。
■自分のものになると値が上がる
通販での試供品の提供「使ってダメなら一週間以内に返品して下さい。お値段は無料です」。通販業者はめったに返品されないことを知っている。――買ってもいないのに、手元に来ただけで「保有効果」がはたらきます。
■進むも地獄、退くも地獄の…
巨額の先行投資をしている。さらに追加の投資が必要。しかし、先行きの展望は「暗い」。これは、「コンコルドの誤謬」と呼ばれるもので、展望がないなら、いま、手を引くべきなのです。
■ダメな会議の典型とは…
会議の結論がなかなか出ない。話がグルグル回っている気がする。これは最初の発言者の発言にひっぱられ、新しい話題が出てこなくなっているのです。これを、「アンカリング効果」といいます。
■交渉は最後の一言で決まる
交渉事でメインの話が終わったら、安心したりしていませんか。締めの一言が、契約にこぎつけるには重要です。「本日は、お時間をとっていただき、ありがとうございました」の一言。人の記憶はメインのことと、最後の一言で印象の良し悪しが決まります。これを「ピーク・エンドの法則」といいます(同様に、恋人とのデートは、別れ際の一言、ないしはキスが最重要です)。
【目次】
パート1 日常のなかの非合理
1 頭はこう計算する
一〇〇〇円がいつも一〇〇〇円とはかぎらない
選択肢が多いほど混乱する
プラス面に注意を向けるか、マイナス面に注意を向けるか
2 矛盾した結論を出す
客の気持を惑わす
三つあると真ん中を選ぶ
何が迷いを生じさせるか
3 錯覚、罠、呪い
優先順位がひっくり返る
非合理は高くつく
自分のものになると値が上がる
現状は維持したい
払ったからには参加しなきゃ損
競りに勝っても喜べない--「勝者の呪い」
数値の暗示に引っかかる--「アンカリング効果」
4 「先入観」という魔物
私たちの頭は当てにならない
だれもが持つ錯覚
非合理だからこそ人間なのだ
5 見方によっては得
問題の提示の仕方が判断を決める
イメージに左右される
死亡率より生存率で
6 どうして損ばかりしているの
雨の日のタクシーはどうして早々と引きあげるのか
得している株は売り、損している株は手放さない
してしまったことを後悔するか、しなかったことを後悔するか
7 お金についての錯覚
実収入か額面か
自分の給料より同僚の給料のほうが気になる
一〇〇万円得した喜びより、一〇〇万円損したショックのほうがはるかに大きい
パート2 自分自身を知れ
8 リスクの感じ方はこんなに違う
つじつまの合わない答えを出す
数字を情緒で判断する
「一%」と「一〇〇人に一人」の違い
中身を多く見せたいとき、カップは小さいほうがいい?
9 リスクとの駆け引き
相対的リスクと絶対的リスク
統計に表れた数字が読めない
10 知ってるつもり
プロになるほど過信する
自信過剰がはめる罠
成功すると自分のため、失敗すると他人のせい
自分に都合のいい面だけを見たがる
11 経験がじゃまをする
「そうなるはず」という思いこみ
結果よりプロセスに目を向ける
12 投資の心理学
リスクを加味してリスクを減らす
近過去から近未来を占う
なじみの企業に投資したがる悪い癖
事情に明るいほどうまい投資ができるという錯覚
売買がはげしいと損をする
13 将来を読む
読みを誤る
前と後で判断が異なる
パート3 判断するのは感情か理性か
14 人が相手の損得ゲーム
対立作戦ゲーム
協同作戦ゲーム
理論と実際の違い
15 怒れるニューロン
脳が苦汁を飲むとき
相手の頭のなかを読む
復讐は何よりも快楽のため
16 心を読むミラーゲーム
神経生物学から見たお金のゲーム
共感の生み親はミラー・ニューロン
倫理的判断とニューロンの役割
17 理性より感情がものを言う
理性には限界がある
感情は不可欠なサポーター
セミとアリとハトの教訓
18 人間的な、あまりにも人間的なわれわれの脳
のさばるのは感情
神経経済学から見た日ごろの常識
ニューロンが生むプラシーボ効果とフレーミング効果
おしまいに
怠け者の経済学
感情のシステムと理性のシステム
エラーを解剖してみれば
自分の限界を知る
◆関連本
内容説明
経済学って、こんなに人間的で、面白い学問だったのか。最新の行動経済学は、経済の主体であるところの人間の行動、その判断と選択に心理学の視点から光を当てる。そこに見えてきたのは、合理性とは似つかない「人間的で、あまりに人間的な」一面。クイズ形式で楽しく読み進むうちに、「目からうろこ」、ビジネスでのヒントに溢れ、お金をめぐるあなたの常識を覆す。
目次
1 日常のなかの非合理(頭はこう計算する;矛盾した結論を出す;錯覚、罠、呪い;「先入観」という魔物;見方によっては得;どうして損ばかりしているのか;お金についての錯覚)
2 自分自身を知れ(リスクの感じ方はこんなに違う;リスクとの駆け引き;知ってるつもり;経験がじゃまをする;投資の心理学;将来を読む)
3 判断するのは感情か理性か(人が相手の損得ゲーム;怒れるニューロン;心を読むミラーゲーム;理性より感情がものを言う;人間的な、あまりに人間的なわれわれの脳)
著者等紹介
モッテルリーニ,マッテオ[モッテルリーニ,マッテオ][Motterlini,Matteo]
1967年ミラノ生まれ。ミラノ大学で科学哲学、ロンドン大学で経済学を修める。カーネギー・メロン大学客員準教授などを経て、現在はミラノのサン・ラファエレ生命健康大学の準教授。科学史・科学哲学、認識論、論理学、ミクロ・マクロ経済学などを研究分野とする
泉典子[イズミノリコ]
東京外国語大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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