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赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由

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  • サイズ A5判/ページ数 172p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784314010177
  • NDC分類 141.2
  • Cコード C0010

出版社内容情報

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本書に寄せられた書評から

「本書は、科学と哲学と芸術が見事に融合した作品だ。
脳による視覚的処理についての深遠な学識と、
人間の経験についての誌的な理解とに基づいている。
目覚しい偉業と言えよう」
     リチャードL.グレゴリー,The Oxford Companion to the Mind 編著
                  (「鏡という謎」の著者)

「『赤を見る』は簡素で才気あふれ、驚くほど明快で、意識の研究に貢献する作品だ。
ニコラス・ハンフリーは、実証可能な科学的手法と、進化の理論と、芸術に対する
繊細で鋭敏を眼識を織り交ぜながら、説得力ある議論を展開し、
意識という「難問」--物質としての脳と、個人の自己という現象との間の
結びつきを説明するという難問--そのものが、人の人たる所以は?という
さらに大きな問いに対する答えになっているかもしれないと主張する」
     デイヴィッド・ロッジ, Comsciousnes to the Novel 編著

内容説明

脳科学や心理学がいくら進歩したといっても、「視覚のクオリア」という用語が示すように、「私たちはいったい何を見ているのか」を記述しようとすれば、たちまち言葉に詰まり、立ち往生してしまうだろう。本書は、才気あふれる進化心理学者が、「赤を見る」というただひとつの経験にしぼり、この難題に挑んだ野心作である。「赤を見ている心」をどう記述すればよいのか。あなたの見ている赤と私の見ている赤は同じものか。赤の感覚と、感情や知覚との関係とは?相手と分かりあえる共感は最近注目のミラーニューロンの仕事?さらには、感覚と心の進化の物語をたどり、「意識の迷宮」へと問いを進めていく。問いを詰めていった先に著者が見出した意識の存在理由をめぐる結論は、「コロンブスの卵」的なものであった。意識は、この人生を生きることが大切で有意義なものであると思わせるべく存在し(だからこそ「他者の自己」を尊重する気持ちも生じ)、そのために不可解な性質を持たねばならなかった、と。スリリングで示唆に富む心の哲学・心理学の一冊。

目次

1 興味深いがいわく言いがたい現象
2 赤を見る
3 感覚とは何か
4 意識の方程式と感覚の進化の物語
5 感覚ミラーニューロン
6 Xファクターの正体
7 不可解な性質のゆえ

著者等紹介

ハンフリー,ニコラス[ハンフリー,ニコラス][Humphrey,Nicholas]
1943年生まれ。1968年ケンブリッジ大学心理学でPh.D.取得。その後、オックスフォード大学とケンブリッジ大学で動物行動学および実験心理学の助手・講師などをつとめ、現在、ロンドン大学経済学部の哲学教授、ニューヨークのニュースクール大学の心理学教授。ダイアン・フォッシーとルワンダに住むマウンテンゴリラの研究を行ない、サルにおける脳の損傷後の「盲視(ブラインド・サイト)」の存在を最初に証明した。人間の知性と意識の進化をめぐる業績で国際的に知られる。マーティン・ルーサー・キング記念賞や英国心理学会ブック賞などを受賞

柴田裕之[シバタヤスシ]
1959年生まれ。早稲田大学・アーラム大学(米国)卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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