出版社内容情報
16年ぶりに祖国ドイツ(東独も)を訪問、ゲーテ賞を受賞する。帰国したマンを待っていたのは、朝鮮戦争と東西冷戦のさなか、マッカーシズムが吹き荒れる合衆国で、「共産主義者」としての迫害だった。FBIの尾行もつく中で、欧州へ住居を移すことを思案し始める。『選ばれし人』を執筆、「老いての最後の恋」が芽生える。時代の証言者としてのマンの心中は?
目次
一九四九年
一九五〇年
著者等紹介
マン,トーマス[マン,トーマス][Mann,Thomas]
1875年6月6日北ドイツのリューベクに生まれる。1894年ミュンヒェンに移り、1933年までここに定住、1929年にはノーベル文学賞を授けられる。1933年国外講演旅行に出たまま帰国せず、スイスのチューリヒに居を構える。1936年亡命を宣言するとともに国籍を剥奪される。1938年アメリカに移る。戦後はたびたびヨーロッパ旅行を試みたが、1952年ふたたびチューリヒ近郊キルヒベルクに定住、1955年8月12日チューリヒの病院で死去する
森川俊夫[モリカワトシオ]
1930年生まれ。1953年東京大学文学部独文科卒業。一橋大学名誉教授
佐藤正樹[サトウマサキ]
1950年生まれ。1976年名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了。広島大学総合科学部教授
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