ギリシア・ローマの奇人たち―風変わりな哲学入門

ドロワ，ロジェ＝ポル〈Ｄｒｏｉｔ，Ｒｏｇｅｒ‐Ｐｏｌ〉/ド・トナック，ジャン＝フィリップ【著】〈Ｄｅ Ｔｏｎｎａｃ，Ｊｅａｎ‐Ｐｈｉｌｉｐｐｅ〉/中山 元【訳】

紀伊國屋書店（2003/12発売）

• サイズ B6判／ページ数 228p／高さ 19cm
• 商品コード 9784314009539
• NDC分類 131
• Cコード C0010

出版社内容情報

滑稽で奇妙な振る舞いのオンパレード――あまりに人間的な哲学本来の姿を描く古代哲学奇人列伝

　ギリシア・ローマ時代、哲学とは生き方のスタイルそのものだった――ソクラテス、プラトンをはじめとする古代の賢者たちの、ユニークかつときには滑稽で奇妙な４３のエピソードを紹介。生きざま・死にざまと一体となった、あまりに人間的な哲学本来の姿をいきいきと描きながら、そのつど読者に問いを投げかけて哲学の道へと誘う、風変わりで楽しい入門書。


2004年掲載
読売新聞1/25、産経新聞2/15、エコノミスト1/20号、古代文化56-2号

内容説明

ソクラテス、プラトン、アリストテレス…滑稽で奇妙な振る舞いのオンパレード―あまりに人間的な哲学本来の姿を描く、古代哲学奇人列伝。

目次

１　哲学の黎明―驚くべき賢者たち（哲学者の金儲け（タレス）
生と死の違い（タレス）　ほか）
２　ソクラテスとその弟子たち（太陽が燦々と輝く夜（ソクラテス）
外套の穴が自慢（ソクラテスとアンティステネス）　ほか）
３　学派の誕生（航海している人たち；論より証拠（エレアのゼノンとアンティステネス）　ほか）
４　魔術的な信念の復活（中断された食事（セネカ）
奴隷だが自由に生きる（エピクテトス）　ほか）

著者等紹介

ドロワ，ロジェ＝ポル［ドロワ，ロジェポル］［Ｄｒｏｉｔ，Ｒｏｇｅｒ‐Ｐｏｌ］
フランスの哲学者。国立科学研究センター研究員。ル・モンド紙にて人文書の書評担当を長年務めている

ド・トナック，ジャン＝フィリップ［ドトナック，ジャンフィリップ］［Ｄｅ　Ｔｏｎｎａｃ，Ｊｅａｎ‐Ｐｈｉｌｉｐｐｅ］
フランスの小説家。生命科学や宇宙論など、さまざまな分野でジャーナリストとしても活躍している

中山元［ナカヤマゲン］
１９４９年生まれ。思想家・翻訳家。万人のための哲学サイト「ポリロゴス」を主宰している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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[WATA]

歴史的文献をもとに創作されたギリシャ哲学者たちの物語。文献の中のたった数行のエピソードからストーリーを紡ぎだし、ギリシャ哲学者たちの生きざま・死にざまを語ることで、「哲学すること」の本質を描いている。何事にも執着しないことに執着してしまうアンティステネス、この世の全てを知り尽くすために睡眠時間を無理に削ろうとするアリストテレスなど、この本の哲学者はみな不器用な人ばかり。そんな理想と現実のはざまで揺れ動く姿が私にはとても魅力的に映る。巻末に出典や参考文献がきちんとまとめられているのもうれしい。

2014/09/07

[たみ]

ギリシア・ローマ時代の哲学者たちの物語を43話収録。現代に残っている短い逸話（巻末に収録）を骨組みに、想像で血と肉をくわえたもの。フィクションとして読んでいただきたいと断りが載っています。ピュタゴラス、プラトン、アリストテレスと名前だけだと立派すぎて近寄り難いイメージですが、血肉が加わったことで「こういう雰囲気の人だったのかも」と身近に感じることができ、リアルで近くにいたらポカンとするような人たちだなァと感じる結果となりました（すいません） 各物語の最後には「問い」を提示。19話目の問いに一番悩んだ。

2014/11/26

[パブロ]

『ギリシア哲学者列伝』を読む前段階。まあホント、古代哲学者たちの奇人・変人ぶりたるや、絶対に近寄りたくない存在だよな〜と心に固く誓いたくなる。知を追求するということを、身を持って実践するその姿には、「うん、馬鹿にされたって、死んじゃったって本望だよね」という清々しい笑いさえも出てくるから不思議。でもこの本、哲学者それぞれの物語に筆者の提示した「問い」が記されているんだけど、それが「ちゃんと哲学してますよ」的でちょっと面白くない。エピソード重視にすれば簡潔に古代哲学者曼荼羅＆群像として楽しめたのに…。

2015/07/06

[kaya]

哲学とは形而上学的な事柄に関する思索だけを言うのではないのだ、と知った。本作品では、己の生き方によって哲学を体現した人々が描かれている。彼らは実践によって自分の正しいと信じる真理を表現していたのだと思う。まさに己の信念に生きた人々は、孤高で、異様で、なんだか笑っちゃうほど変。笑 哲学って、究極の自己表現だったのかなと思った。

2015/05/19

[還暦院erk]

図書館本。衝動借り。ショートショートみたいな逸話もあって面白かったが、ギリシャ人の名前は何というか似通っていて、有名どころの数人以外の哲人は誰が誰だか…。

2016/07/04