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愛という試練―マイナスのナルシスの告白

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314009270
  • NDC分類 158
  • Cコード C0095

出版社内容情報

愛、愛、愛、の大合唱にはもう、うんざりだ! 


人気の哲学者による、愛をめぐる哲学エッセイ。暴力的なまでに愛を強要する社会の欺瞞を糾弾しながら、ひとを自然に愛することができない人間の苦悩を描き、生い立ちや両親の関係を赤裸々に語り、ついには病的に肥大した自らの自己愛(マイナスのナルシス)へも鋭いメスを入れてゆく。壮絶な内省録でありながら、どこか痛快で清々しい印象を与える希有な一冊。

☆書評掲載
週刊朝日8/3〈本棚の隙間〉で松原隆一郎氏は中島氏の書きっぷりに圧倒され救いを見出そうとしつつも、納得せざるを得ない自分にため息を漏らしています。

2003年掲載
週刊朝日8/15・22号、FRAU9/9号、ダ・ヴィンチ9月号、ダ・ヴィンチ7月号、週刊文春7/29号

内容説明

ひとを自然に愛せない!生い立ち、家族との関係、恋愛…愛をめぐる体験を赤裸々に語り、みずからの病的な自己愛へも妥協なき思考のメスを入れてゆく壮絶な内省録。

目次

序章 ひとを愛することは難しい
第1章 「ほんとうの愛」とは
第2章 愛に不可欠の条件
第3章 愛という暴力
第4章 愛という支配
第5章 愛という掟
第6章 自己愛という牢獄
終章 ひとを愛することはやはり難しい

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年生まれ。東京大学教養学部ならびに法学部卒業。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合科学部哲学科修了。哲学博士。現在、電気通信大学人間コミュニケーション学科教授。また、哲学の道場「無用塾」を主宰している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ted

7
愛を巡る両親の壮絶な関係を土台に、愛について考えた本。自然に愛せない苦悩ゆえに性愛や失恋についての考察は、深く経験した者でなければ書けないほど鋭い。愛を強要する風潮を拒絶する姿勢には共感。愛は常に執着や憎悪・暴力・支配などの負の要素を内包するという本質を故意に隠蔽しているからだ。愛の反意語は憎しみではなく無関心であり、「愛憎」と言うように表裏一体の関係にある。憎しみはその異なる相貌が何気ないキッカケで表面化したにすぎず、本質は同じ。この認識が欠如している限り、DVや幼児虐待はいつまでも繰り返されるだろう。2010/10/24

ジョニーウォーカー

7
「目の前で家族が殺されそうになっても、私はけっして彼らを自然に助けることはできない。一秒の何分の一かは知らないがそこに理性が介入して、ナマの感情は“そうすべきだからそうする”という冷静な態度に変わってしまっている」…この心情がまったく理解できない人には、おそらく本当にくだらない一冊だと思う。逆に、少しでも理解できた人にとっては、これはとんでもなく刺さる一冊だ。きっと貪るように読了すると思う(かといってまったく救われはしないが)。まぁよくここまでえげつなく自分の闇を綴れたものだ…。閲覧要注意。2009/11/27

setsu

2
家庭や恋人同士は狂気と憎悪の温床です。恐らく、程度の差はあれど似たりよったりの家庭はちまたにごろごろ転がってます。人々が皆哲学者なら、世界は既に破綻している。真実を見ないことが秩序を保っているのかもしれない。読み終わっての感想は、ただただうんざりです。2015/10/11

ちろる

2
心の底から発生する哲学。現代の思想ってのは芸術論だとか、文化論だとかのほうに行ってしまいがちですが、こういうの読むと自分がそもそもなんで思想っぽいものよみたかったのかっていうところに立ち返ってしまう。ようは結構共感してしまうのですよね。そんなことをとても細かく一冊に仕上げちゃったところがものすごい。おもしろいし。こういうところを目指して大学入った人っていうのは何処に着地していけばいいのだろう。その形が小説じゃないっていうことも(ワタシにとっては)新鮮だった。2008/08/10

絵具巻

1
文京区立真砂図書館で借りました。2015/05/11

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