出版社内容情報
カリビアン・ポップスやクレオール文学の故郷カリブ海のマルチニーク島。百年前にこの島を訪れた作家、ラフカディオ・ハーンの足跡をたどりつつ、民衆に語り継がれてきた物語や歌の生き生きとした魅力を紹介する。
内容説明
フレンチ・カリビアン・ポップスでお馴染みのカリブ海のクレオール文化は、豊穣な文学と音楽の故郷だ。しかし、どれほどの人が、クレオールのことばや歌を自分の舌の上で転がしてみたことがあっただろうか。本書は、ラフカディオ・ハーンがマルチニークでおこなった民話採集のフィールドワークを踏まえながら、クレオール言語とその物語世界へ私たちを誘う。新しい耳と舌で、クレオールの饒舌な魅力を味わおう。本邦初の「フレンチ・クレオールの初級文法」付き。
目次
序 「クレオール」と発熱の言語
1 クレオール・パンチを飲み干せ
2 水際を旅して
3 「女の記憶」という名の図書館
4 ホワイト・ディアスポラ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
4
西インド諸島のフランス語系クレオールとそれが話されているマルティニク島やグアドループ島の習俗を、その地でラフカディオ・ハーンが収集した伝承やズークバンド・カッサヴの歌詞などを通して紹介する。フランス語系クレオールを扱ったおそらく唯一の一般書。ただしクレオールの解説はかなり簡潔。少々文章に癖があるけど、クレオール文化、植民地文化に興味がある人なら結構楽しめると思う。2012/06/08
kana0202
1
民話、クレオール語の文法の具体例が多く載っていて非常に興味深い。そしてハーンの小噺がおもろい。2022/04/10
i-kom81412
0
「女の記憶」という名の図書館、ホワイト・ディアスポラという最後の2章、特に読みごたえがあった。あとはクレオール語自体の紹介。ユニークな本。2018/09/15