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差異の世界―脱構築・ディスクール・女性

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  • サイズ A5判/ページ数 410p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314005371
  • NDC分類 934
  • Cコード C0010

出版社内容情報

ボードレールやマラルメの詩から,フランケンシュタインの怪物,黒人文学,さらには母子関係,妊娠中絶,教育,政治的スキャンダル――多彩な題材を繰りながら,著者はあざやかな手さばきで脱構築という「差異の哲学」を「現実世界」へ押しひろげてみせる。デリダ的洞察が現実の〈男と女〉の差異に適用されたとき,いったいそこで何が起こったか?


ディコンストラクションを文学という閉域に囲うのではなく、現実世界の権力構造、とりわけ男と女の差異へと押しひろげていく力作批評集。

目次

第1部 脱構築の運命(栄光と転落;厳密なる非信頼性;現代的なエクリチュールは保守的か?;ジェンダー理論とイェール学派;ディコンストラクション、フェミニズム、教授法)
第2部 空白の意味作用(猟犬、鹿毛の馬、雉鳩―『ウォールデン』のわかりにくさ;パナマの抹消―マラルメと歴史のテクスト;無知の教え―《女性たちの学校》)
第3部 詩的言語と差異(奇妙な発作=適合―ポーとワーズワスによる詩的言語の本質論;詩的言語の暴力;マラルメの華―相互テクスト性についての考察)
第4部 母親、ジェンダー、人種(母親としてのマラルメ;わたしの怪物/わたしの自己;メタファー、メトニミー、声―『彼らの眼は神を見ていた』における;差異の境界―ゾラ・ニール・ハーストンにおける語りかけの構造;頓呼法、生命化、妊娠中絶)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shun'ichiro AKIKUSA

1
絶賛されているので読むんだけど、期待値が高すぎるのか、こちらの頭が悪すぎるのか、楽しめない。世代的なものもあるんだろうか、2017/10/01

NICK

1
イェール学派第二世代による脱構築批評。女性論が多めだが、個人的には、批評というメタ言語によってメタファーを理解することはメタファーの構造に引き込まれ外部からの記述が困難になる、というメタファー論が印象的だった。また、最初の方の論考は、脱構築批判に対する反論で、脱構築入門としても読める。2011/01/30

ヒナコ

0
難渋にして複雑怪奇、脱構築批評とフェミニズム批評の交点を示す格好の著作。エピグラフにポール=ド=マンではなく、レイモンド=ウィリアムズとアンドリエンヌ=リッチが引かれていることに象徴されているように、本著はテクストのみに焦点をあてる脱構築批評はほとんどない。むしろ、語呂合わせや意味の理解不能性を社会構造(堕胎、教育、人種、女性の社会参画)と混合させて作品を読み解いていく。メアリー=シェリー、ゾラ=ニール=ハーストンの文学作品を自伝として捉え、女性の分裂状況を別の言葉で言い直す批評は華麗の一言である。2017/01/05

あやか

0
比喩や頓呼法など詩的言語の分析を通して、二項対立構造を脱構築し、決定不可能性が論じられている。ただ、そうしたディスクール論にとどまらず、フェミニズムやレイシズムといった社会・政治的次元にまで展開がなされている。2022/07/22

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