出版社内容情報
サン=テグジュペリの『星の王子さま』を題材に,大人になることを拒み,現実を生きられない永遠の少年の病理をユング心理学の立場から析出した,数あるメルヘン分析の中でも最高に刺激的な書。「モラトリアム人間」という言葉で今日喧伝される,この「青年の深層」を理解するためにも,またメルヘンをより深く味わい楽しむためにも必読の書といえよう。
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■本書について
われわれの心の深層には,大人になることを拒む「永遠の少年」が住んでいる。
それは、芸術家にみられるように、みずみずしい少年の感性を保持し、
惰性化しがちな大人の感性をしばしば活性化させる。
しかしそれが昂じて病的になると、さまざまな障害をもたらす。
永遠の少年には飛行や登山を好む人が多いといわれるが、
これは大地という現実からの逃避し、真の体験をすることができない
永遠の少年の病理を見事に象徴している。
本書は、多くの人々に親しまれてきたサン=テグジュペリの
「星の王子さま」を題材に、この永遠の少年の病理を析出したもので、
数あるメルヘン分析の中でも最高にブリリアントな書といえよう。
「モラトリアム人間」という言葉で今日宣伝される「青年の深層」を理解するためにも、
またメルヘンをより深く味わい楽しむためにも、必読の書。
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1 「永遠の少年」とは何か
2 幼児の両義性
3 呑みこむものと呑みこまれるもの
4 ヘビと童子神
5 個性化の苦しみ
6 現実への下降
7 上なる天と下なる天
8 生の躍動と偽の哲学
感想・レビュー
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りりす
呼戯人
Momoko Nishikawa
ドリルメロン
パストゥーレ