永遠の少年 - 『星の王子さま』の深層

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永遠の少年 - 『星の王子さま』の深層

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314003964
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0012

出版社内容情報

サン=テグジュペリの『星の王子さま』を題材に,大人になることを拒み,現実を生きられない永遠の少年の病理をユング心理学の立場から析出した,数あるメルヘン分析の中でも最高に刺激的な書。「モラトリアム人間」という言葉で今日喧伝される,この「青年の深層」を理解するためにも,またメルヘンをより深く味わい楽しむためにも必読の書といえよう。

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■本書について

われわれの心の深層には,大人になることを拒む「永遠の少年」が住んでいる。
それは、芸術家にみられるように、みずみずしい少年の感性を保持し、
惰性化しがちな大人の感性をしばしば活性化させる。
しかしそれが昂じて病的になると、さまざまな障害をもたらす。
永遠の少年には飛行や登山を好む人が多いといわれるが、
これは大地という現実からの逃避し、真の体験をすることができない
永遠の少年の病理を見事に象徴している。
本書は、多くの人々に親しまれてきたサン=テグジュペリの
「星の王子さま」を題材に、この永遠の少年の病理を析出したもので、
数あるメルヘン分析の中でも最高にブリリアントな書といえよう。
「モラトリアム人間」という言葉で今日宣伝される「青年の深層」を理解するためにも、
またメルヘンをより深く味わい楽しむためにも、必読の書。

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1 「永遠の少年」とは何か
2 幼児の両義性
3 呑みこむものと呑みこまれるもの
4 ヘビと童子神
5 個性化の苦しみ
6 現実への下降
7 上なる天と下なる天
8 生の躍動と偽の哲学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りりす

21
簡単に読んだだけ。『星の王子さま』で大人を批判している点を、思春期の意識を強く残した「永遠の少年」、最もな見方だが一方で大人としての楽しみを見出せずにいる、という角度から見てる。「永遠の少年」はきっと病。『星の王子さま』と『ライ麦畑でつかまえて』は似ていると思ってたけど改めて似ているのだろうと思う。2015/07/27

呼戯人

13
ユングの高弟、M・L・v・フランツによる大人になり切れぬ少年にとどまったままの青年心理の分析。星の王子さまやさまざまな童話を使った症例分析が鋭い。河合隼雄がユング研究所に留学していたとき、フランツのおとぎ話の分析が非常に深く適切で講義を聞くのが楽しみだったと言っている。童話や昔話を使った症例分析はユング派において非常に盛んだが、これも傑作のひとつだと言ってよい。永遠の少年は母なるものから自立しようとして空を飛びたがるが、やがてイカロスのように墜落する。サン・テグジュペリが撃墜されたように。2015/10/22

Momoko Nishikawa

2
古書店で購入。作者に対して、わりと手厳しいがとても面白かった。2023/08/01

ドリルメロン

2
いつまでも空想の中に住まい、地に足付けた生き方を嫌う永遠の少年達。母親コンプレックスを深層に抱き、ここではないどこかを求め常に目先を変え続ける。だから何をやっても続かないし、何者にもなれない。全部自分だった。鋭く言い表してくれた。両義性、良い面についても言及されてはいるが、それでもめちゃくちゃキツい。永遠の少年達へ冷水をぶっかける一書。なんとか言葉を自分のものにしていきたい。2016/10/16

パストゥーレ

1
現実において、まず何か一つ、成し遂げること。最後まで、やり抜くこと。永遠の少年を脱するにはそれが一番である。「行動の時に議論は無用なのである。」モラトリアム人間には突き刺さりすぎて落ち込む。永遠の少年たちの繊細さと豊かなイメージは、現実で鍛えられて本物となる。また、永遠の少年が現実を捨て、哲学といった観念の世界に逃避しがちだという部分にはギクッとさせられた。現実からの真の問いかけのない哲学は、蟻一匹すら説得できない。2021/09/10

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