出版社内容情報
歴史上の反抗運動や宗教運動から、現代社会での巡礼、カーニヴァル等、さまざまな社会的行為の中に象徴と社会のダイナミズムを探る、刺激的な一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
通過儀礼の儀式を社会からの分離→過渡→統合の過程としたファン・へネップ説の過渡期に注目した著者は、誰もが社会的役割から解放され平等の立場で未分化な状態に置かれるこの境界的時期にも社会(コミュニタス)を見出した。後にその平等主義的社会観が理想主義と批判される著者だが、本書ではこの時期が規制を取り払い、人をむき出しの我と汝の状況(ブーバー)にし、流動する世界(ベルクソン)に立たせる点から、儀式は世界を把握不能と捉え、象徴的解釈を採用すると説いた。著者はこの社会の特徴を中世の巡礼や現代のヒッピー文化にも見出す。2024/04/17
なつぼんやさん
2
千と千尋の世界という映画は文化人類学的にみると、通過儀礼で、あの湯屋の世界はまさに日常の制度が及ばないコミュニタスのようだ!2014/07/24