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内容説明
「この度の改革、成否を握るのはそろばんにあり」歳入の80年分もの負債を抱えた瀕死の越前大野藩を、藩直営店、特産物流通、蝦夷地開拓など斬新な改革を次々と断行して再建した藩士・内山七郎右衛門良休。混迷する幕末に先駆けた経済武士の知られざる活躍を描いて真のリストラとは何かを問う傑作歴史長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
29
面白かったと思います。藩士による藩の建て直しのお話でした。今で言うと村興し系とかでしょうかね。史実に基づくお話なのでその点も興味深かった。上杉鷹山の藩士盤とも言えるかも。お勧めできます。2013/08/15
真理そら
6
「無茶の勘兵衛」(浅黄斑)の舞台になっている越前大野藩が土井家の所領になり幕末近くなったころの話。「鬼はもとより」(青山文平)と同様に藩の経済立て直しのために心を鬼にしてがんばる内山良休の奮闘ぶりが気持ちいい。商売を学ばせてもらった加島屋の久右衛門もいい。せっかく藩の実収入80年分の借財を17年で返済したのに、徳川幕府瓦解であの努力は何のためだったのかと思うような結果にはなるが、その中でも大野屋や藩(地域)が生き延びる努力をしている。人間の描き方があっさりしているのが妙に効果的な作品。2017/10/30
しーもあ改
4
歴史が苦手なくせに、時代小説は好きなのですが…この作品は幕末のお話を、少し引いた所から描かれていてとても分かりやすく読めました。時代小説ならではの醍醐味と、現代に通じる経済小説な感じがします。2017/11/17
こうめい
2
めずらしい藩の財政を題材にした小説。江戸末期の藩がいかに破綻していたかよくわかります。最後のオチはほんと理不尽…まあ事実なんだろうけど。
のらねこ
2
粗筋としては流行りの「内政オリ主もの」というところ(史実に実在する人物ですが)。福井の山奥にある「大野藩」の莫大な借金を返済するために、武士としての面目を捨てて活躍する主人公兄弟が格好いい。武装集団に抵抗できなかったりと弱小藩なんですが、それなりにしたたかで実利を得るのも忘れない。地元のひとだともっと楽しいかも。2012/09/17