内容説明
女は男の物と化してはいないか、男女間に真のエロスは存在するのか、強姦は許されたる犯罪か、女は果たして人類だろうか、智恵子は精神に異常をきたした…森鴎外、夏目漱石、高村光太郎、永井荷風、五木寛之等の作品を女の視点から読み直した衝撃の女性論。女性解放を考えるうえで欠かせないバイブルともいわれる本。
目次
エロスへの渇望―男女間に真のエロスは存在するのか
娼婦と妻の世界―女は男の物と化してはいないか
妻には近代はなかった―性差別についての一考察
許されたる犯罪・強姦―強姦のメカニズムの追求
誇示ニケーションと強姦思想―女が女について考えたこと・断章
男の世界、男だけの世界―現代の英雄 石原慎太郎、五木寛之
『智恵子抄』は光太郎の贖罪のうた―智恵子は精神に異常をきたした
仮面紳士の告白―太田豊太郎(鴎外『舞姫』の主人公)の末裔
断腸のゆくえ―女性論の宝庫としての荷風文学
女たちへのまなざし―主従関係の中での愛を拒否した吉屋信子