内容説明
なぜ、自分史ブームなのか?どう書かれ、どう読まれ、どう支えられているのか、ストーリーの社会学の視点から徹底したインタビューで追跡する。
目次
序 自分史を書く人たちの系譜
1 ともに書く自分史
2 物語産業から生まれた自分史
3 地域共同体と自分史
4 読者をえた自分史
5 賞をめざした自分史
6 自分史による自己表現の時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とみた
3
1980年代、90年代の自分史の動向を書かれた自分史と自分史を書いた人自身のインタビューから見ていく本。物語産業、地域共同体、賞や自己実現というタイプ分けがされていた。80年代の自分史を書く人の多くの動機は戦争体験を記録し、子孫に伝えることであり、就活に使われる現在の自分史とは毛色が違う。著者はあまり注視していなかったが、60代、70代男性の想定する読者である息子にはあまり自分史が読まれていないように感じられた。自分史を書くのに必要なのは余裕だという話があったが、読む側にも余裕が必要なのだなと感じた。2013/12/11
yuka
2
自分の勉強用。 自分史(ライフヒストリー)を5つのタイプに分類し、背景や目的などを分析考察している。自分史による自己表現や自分史の未来の章が参考になった。 「過去の自己をふりかえり、整理することは、その当時の経験を秩序あるものにして、現在の時点で理解可能な説明をおこなうことである。」(P216)「自己の物語が語られるのは、<自己>が脆弱になっている」からであり「自分史は、弱くなった<自分>を回復させるためのひとつの手段として書かれていく」(P222)2014/09/19