苦海浄土

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苦海浄土

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  • サイズ B6判/ページ数 771,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309709680
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

出版社内容情報

水俣の不知火海に排出された汚染物質により自然や人間が破壊し尽くされてゆく悲劇を卓越した文学作品に結晶させ、人間とは何かを深く問う、戦後日本文学を代表する傑作。三部作すべて収録。

内容説明

「天のくれらす魚」あふれる海が、豊かに人々を育んでいた幸福の地。しかしその地は、海に排出された汚染物質によって破壊し尽くされた。水俣を故郷として育ち、惨状を目の当たりにした著者は、中毒患者たちの苦しみや怒りを自らのものと預かり、「誰よりも自分自身に語り聞かせる、浄瑠璃のごときもの」として、傑出した文学作品に結晶させた。第一部「苦海浄土」、第二部「神々の村」、第三部「天の魚」の三部作すべてを一巻に収録。

著者等紹介

石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年、熊本県生まれ。10代より歌作を始め、20代からは歌壇に作品を投稿、才能を認められるようになる。69年、『苦海浄土』三部作の第一部となる『苦海浄土―わが水俣病』を刊行、第一回大宅壮一賞に選ばれるが受賞を辞退する。73年、マグサイサイ賞受賞。その後『椿の海の記』『あやとりの記』など次々に作品を発表する。92年刊行の『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2001年、朝日賞受賞。『はにかみの国―石牟礼道子全詩集』で02年度芸術選奨・文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

205
どのページを切り取ってもそこは地獄だった。生きながら地獄を生きる人々の言葉を、様を、石牟礼さんが教えてくれている。教科書だけでは知らない真実を生々しく伝えてくれている。私が生れた頃の公害。いまだ闘っている方々がいるのだ。完全な人災に会社や国の姿は沖縄にダブる。慎ましく暮らしていた者達と生きる糧の目の前の海を還せ!このぶ厚い本はそれ以上の重さを以って私の感情を凌駕する。不知火の海は凪ているか。圧倒的な事実と人間の業に私の言葉は無力だ。何もこんな形で試さなくとも・・2018/10/02

starbro

184
世界文学全集完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc 第二十八弾です。日本人作家の作品を世界文学全集に入れる是非、その場合に本書を選択する是非はありますが、凄まじい作品でした。水俣に生まれ、抗議活動にも関わった著者だからこそ書ける作品だと思います。残り二巻、続いてⅢ-5へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/2022/02/16

ケイ

139
窒素の会社との争議を記す第3部まで。作者が40年間に渡り水俣病について文章にしてきたものを収録。心の奥で何度も反芻された現地の様をあらわす想いが、語り部の類稀な文章力により、賽の河原にぼっと浮かぶ美しさを感じさせる。美しさとは、胎児性患者達の瞳の澄んださまに等しいようなもの。責められるべきは日本チッソか、国家権力か。いや、彼らに寄り添わなかった水俣の人々か。何より塩化ビニールを最初に作った会社の恩恵を受けて暮らす私たちだろう。有害な副産物を生み出す生産工程の恩恵を、日々私たちは享受しているのだから。2022/07/17

藤月はな(灯れ松明の火)

118
柔らかな春の音がする方言から聞こえてきた悲痛な呻きは、やがて、大らかなうねりとなった。彼ら彼女らの声に寄り添った作者の優しさや憤りもこのおおらかな文章から伝わってくる。生活も行き詰まり、家族は苦しんでいるのに何もできず、周囲の好奇に晒され、権力者、そしてチッソ工場で働き、被害が出なかった地元の人々の白眼視される。何も知らなかったでは済まされない罪への加担は私達もしていた。そしてこの本が2011年1月に刊行されたにも関わらず、東日本大震災からの福島原発問題などに対して政府やマスコミが全く、変わっていないのだ2018/09/26

chanvesa

55
「神々の村」「天の魚」は初読。「ネクタイコンブ」の片棒担ぎ(あるいはそれ自身)である私にとって、石牟礼さんの告発は身を引き裂かれそうになる。会社の社長や役員どもの通り一辺倒の答えは空虚な言葉だが、「ネクタイコンブ」種族はあんなような言葉しか発せないことを十数年の「会社員」生活で知ってしまっていることがつらく、恥ずかしい。生活をそして命を滅茶苦茶にされた水俣の海に暮らす人々に寄り添う石牟礼さんの暖かい眼差しは唯一の救いかもしれない。「みずからはことばをしゃべらぬものたちの物語にわたしは耳を傾ける。2015/11/01

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