出版社内容情報
インドの大地に身を委ねた若き技師と下宿先の少女が、タブーを超えて惹かれ合う悦楽の神話と、妻の心変わりを察した男の視点で壊れゆく夫婦の関係を緻密にたどったイタリア文学の傑作。
内容説明
タブーを超えて惹かれ合う若き男女の悦楽の神話。瑞々しい大気、木に宿る生命、黄褐色の肌、足と足の交歓。インドの大地に身をゆだねた若き技師が、下宿先の少女と恋に落ちる。作者自身の体験をもとに綴られる官能の物語(『マイトレイ』)。ある日突然、妻の心変わりを察した劇作家志望の男。繕うすべもなく崩れていく夫婦の関係を夫の目から緻密に描き、人生の矛盾と人間の深い孤独を問いかけるイタリア文学の傑作(『軽蔑』)。愛の豊饒と愛の不毛。透徹した知性がつむぎだす赤裸々な男女の関係。
著者等紹介
エリアーデ,ミルチャ[エリアーデ,ミルチャ][Eliade,Mircea]
1907‐86。ルーマニアの首都ブカレストで生まれる。十代から小説や評論の執筆に励み、28年インドの宗教・哲学を学ぶためコルカタへ留学。そのときの体験をもとに、33年、『マイトレイ』を発表し、ベストセラーとなる。その後『令嬢クリスティナ』『ホーニヒベルガー博士の秘密』などの小説執筆を続ける一方、宗教学の重要な著作をつぎつぎに発表し、世界的権威として活躍する
モラヴィア,アルベルト[モラヴィア,アルベルト][Moravia,Alberto]
1907‐90。1907年ローマに生まれる。幼くして骨髄カリエスを病み、長く療養生活を送る。29年、最初の小説『無関心な人びと』が成功を収め、脚光を浴びるが、ファシズム政権下では執筆を制約される。41年、作家のエルサ・モランテと結婚。戦後は旺盛な創作活動を再開し、『軽蔑』のほか、『めざめ』『ローマの女』『孤独な青年』といった傑作を発表。59年には国際ペンクラブ会長に就任する。その後も長篇のほか、短篇集、評論、インタビュー、紀行なども数多く残す
住谷春也[スミヤハルヤ]
1931年群馬県生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。ブカレスト大学文学部博士課程修了
大久保昭男[オオクボアキオ]
1927年生まれ。東京大学文学部卒。イタリア・フランス文学の翻訳家・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
藤月はな(灯れ松明の火)
三柴ゆよし
ぺったらぺたら子
秋良