世界文学全集 〈1-05〉 巨匠とマルガリータ ミハイル・アファナーシエヴィチ・ブルガー

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  • サイズ B6判/ページ数 600,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309709451
  • NDC分類 983
  • Cコード C0397

出版社内容情報

作家協会議長の轢死を予告した魔術師が、モスクワ中に奇怪な事件を巻き起こす。悪夢のような現実をシュールにリアルに再構築した、20世紀を代表する究極の奇想小説。全面改訳決定版。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

226
本文は文庫で読んだ。こちらは池澤夏樹氏の月報をお目当てに。〈「神が存在しないとすると、おたずねしますが、人間の生活とか、要するに地上のあらゆる秩序とかを、いったい誰が支配するのでしょうか?」「人間がみずからを支配するにきまっています」〉。読みながら付箋をつけていた箇所を池澤さんも引用していて、うれしくなる。その人間の支配する社会主義はやがて行き詰まり、資本主義だって浅ましい。かといって今さら神に頼ることはできない。それで、悪魔に頼った。『カラマーゾフの兄弟』の残響もひびく。いよいよ読まなければならないな。2021/07/03

starbro

205
世界文学全集完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11684481?sort=book_count&order=desc 第五巻は、ロシア人作家ブルガーコフの代表作です。マルガリータは、カクテルかピザかと思いきや、女性の名前でした(笑)『巨匠とマルガリータ』というよりも、『文豪と愛人(魔女)と猫』といった感じです。続いて第六巻へ。 https://www.kawade.co.jp/np/special/3677774465/2021/03/17

ケイ

147
同訳者による改訳での「世界文学全集」入り。解説も文庫版とほぼ同じ。目的は最初の池上氏による文章。そのまま一部を引用 「ソ連は彼の溢れる才能に気づくほどには開明であったが、彼の執筆を全て許すほど開明的ではなかった」「ファンタスティックな話を書くことは難しいことではない。とんでもない事件を捏造するのはたやすい。難しいのは、そうしながらリアリズムから一定の距離以上離れないことだ。荒唐無稽のどこかに現実につながる回廊を設けておく。現実の上にこそ荒唐無稽を構築する。そうでなくてはその作品が書かれる意味がない」2017/06/07

まふ

102
テーマは<ポンテオ・ピラトが自ら下したイエス処刑判決を悔やむという小説を書き上げた「巨匠」を想い続ける恋人マルガリータの一途な気持>である。陽気な愉快犯的魔王ヴォランドとその一味がモスクワ中を縦横に活躍して一大お祭り騒ぎ的大混乱を惹き起こす。一味メンバーの個性が光る。とりわけ猫のベゲモートがいろいろとちょっかいを出したりして楽しい。マルガリータも結構悪女的で魅力的だ。全編作者の奥深く豪勢な発想力に圧倒されどおし、まさにロシア文学の「重さ」「暗さ」から解き放たれた明るい物語であった。G1000。2023/06/22

夜間飛行

92
詩人が語る神の存在証明は悪魔のそれへとすり替えられ、編集長は轢死する。これを皮切りに芸術の試みは教授一味のグロテスクな魔術によって目茶苦茶に打ち砕かれる。猫がしゃべり、ウォッカを飲み、電車に乗るシーンはジブリを思わせる一方、ここに描かれるモスクワはキリコの画にも似ているし、古代エルサレムの陰画のようでもある。ヨシュアに心酔するローマ総督ピラトゥスの物語を書く巨匠を救うため、マルガリータは裸で箒に跨がり、悪魔の舞踏会へと向かう。閉ざされた街がエロスの夢によって開かれる時、聖性の光が差してきたように思われた。2014/04/26

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