河出ブックス<br> ドゥルーズと狂気

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河出ブックス
ドゥルーズと狂気

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  • サイズ B6判/ページ数 378p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624730
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0310

出版社内容情報

ドゥルーズにおける「狂気」をたどりながら、全く新たなドゥルーズ像を描き出すとともに、新たな生と狂気のありかたを開く衝撃の書。

【著者紹介】
著書、『生と病いの哲学』

内容説明

ドゥルーズにとって核心的主題でありながら真正面から取りあげられてこなかった“狂気”―生命と病いを探求しつづけてきた哲学者がついに「心」=メンタルの思想と歴史に挑むべく、ドゥルーズの主要著作における“狂気”を読み解きながら、欧米と日本における「狂気の歴史」―精神医療/反精神医学運動の軌跡を総括して、分裂病をこえるサイコパスの彼方に高次の正気と高次の狂気を待望する。恐ろしく危ういドゥルーズを到来させつつ現在を根底から震撼させる絶後の名著。

目次

1 新しい人間と倒錯(狂える自然―『マゾッホとサド』;新しい男になる―『マゾッホとサド』;「神経症を確かに経由し精神病をかすめる冒険」―『意味の論理学』)
2 反復の病、差異の病、高次の狂気(反復の病、反復の治癒―『意味の論理学』;高次の病理、高次の反復―『差異と反復』)
3 「分裂病の政治」―『アンチ・オイディプス』(思想史の中の『アンチ・オイディプス』;『アンチ・オイディプス』の分裂病論;Psy‐系(精神・心理系)に対する批判
資本主義「と」分裂病)
4 スキゾイドの系譜(「狂気」と「犯罪」;獣のような人間、あるいは、生来性犯罪者;「狂気、愚劣、悪意」の「凄まじき三位一体」―『差異と反復』「思考のイマージュ」)
5 地下潜行者の共同体(『アンチ・オイディプス』から『千のプラトー』へ;バートルビー論)

著者等紹介

小泉義之[コイズミヨシユキ]
1954年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

57
感心したのは、序文だ。ぶっちゃけドゥルーズ+ガダリの論文は理解できない箇所があるそうで、この本はそれらも考慮してわからないものをわからないままに語れる講義形式にしているのだという。この研究者でさえも彼らのテキストの二三割はよく分からないのだという。通りで解説書自体がさっぱり分からんのはそういうことかと。「アンチ・オイディプス」の出版当時のことや後世の評価など。彼ら著作の限界なども。精神分析や精神医学などのことなど幅広いトピックを扱う。この著作の名前に覚えがあると思ったら、永井均と共著を書いていた人だった。2017/05/29

耳クソ

18
全方位の過去を冷徹に薙ぎ倒しながら未来をアツく語る、という文章が読みたくて著者の本を読むと、むしろいつも過去の文献をじっくり丁寧に咀嚼しながら未来を無責任に突き放す文章に巻き込まれることになる。だが、過去についてウダウダ言いながら未来に「高次」のものを見出そうとする無責任な現在だけが絶え間ない「領土化」のなかでできることだとすれば、著者の本はどんなビジネス本よりも地に足がついていて、『負け組の哲学』序に書かれた「こんな状況を唾棄すること。こんな状況を何とかすること。」という指針に誰より切実だとわかる。2023/06/15

またの名

8
ひきこもりや独居老人がアニメやゲームやウェブのイマージュの飛び交う他者なき世界に移行するといった、難解な思想についての本とは思えない豊富な具体的事例で説明。マゾヒストが、粗野で愚鈍な混血児が、獣人が、怪物的人間が、独身機械が、分裂病が、スキゾイドが、サイコパスが、孤独な労働者が、常識的良識的思考から逃走する方途としてドゥルーズ哲学の狂気の理念となる様を描く。当時の文脈と空気感を確認しつつその後の受容を思想史的に総括する語り口は、何事も「馬鹿らしい話です、流します」と突き放すようでいて様々な流れに開かれる。2014/11/29

水菜

7
おもしろい。狂気とはなんぞや?心理をかじった者としては「病気・障害」と「狂気」の違いというか、それらがどのように認識されてきたのかはとても興味深い。興味というと野次馬的なものに感じられるだろうか?それに私も「あたまのおかしい」ひとだしなあ。病気といえば病気、狂気といえば狂気、というところはあると思う。倫理とか善悪の視点では考え方が変わるけど。哲学書をもっと読みたいな。2015/03/17

eirianda

4
この社会は欲望強く統失的で、コード化と脱コード化さらに再コード化して変化を続ける。新しい人間像はサイコパスの中に見出されるであろう…。保守とかリベラルとかもう吹っ切れてる感じで、現実に何が起ころうと客観視できそう。私、社会派ではないので。とか言って。未来にタイムスリップしたらサイコパスだらけで今の常識良識が全く通じないというSFを誰か描いてないだろうか?2015/02/05

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