内容説明
詩はもともと、音楽や絵画のように楽しめるものだ。詩こそ、声に出して「朗読」するのに最も適した芸術である。何の説明も、何の予備知識も、何の解説もいらない。そこには、歌うような軽みと新しい発見と、そして感動がある。本書では、新しい詩の試みが盛んに行なわれた二十世紀前半のフランス詩の黄金期を中心に、珠玉の五十九篇を収録した。
目次
恋の青春(僕のいとしい心よ(アポリネール)
とてもいとおしい僕のルウよ(アポリネール) ほか)
夢と記憶(刺し殺された鳩と噴水(アポリネール)
あめがふる(アポリネール) ほか)
別れの詩(ミラボー橋(アポリネール)
わかれ(アポリネール) ほか)
悲しみの果て(もしも人生去るものならば(クノー)
鎮静剤(ローランサン) ほか)
人生の風景(会話(タルディユ)
家族のもの(プレヴェール) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
22
『詩の朗読会 フランス編 』とあるので、他に「ドイツ編」とか「アメリカ編」とかあるかと思って検索したがないみたいなので、これ一回で終わったのか?まあ、翻訳者の問題があるのか?けっこう面白いと思うのだが。一冊の本で多くの詩人が読めるアンソロジーは、もっと出てもいいと思うのだが。フランス詩は、ボードレール・マラルメの象徴詩の後にシュールレアリスム詩が全盛になる。詩の方向性としては、象徴詩から古典詩のような流れ(戯曲的なアリストテレス『詩学』の詩)と歌のような誰もが口ずさめる詩と二極化していくのだと思う。2022/06/10
保山ひャン
1
窪田般彌編訳による20世紀前半中心のフランス詩集。アポリネール、プレヴェール、コクトー、クノー、サティ、ツァラ、デスノス、シャール、サンドラール、ミショー、ジャム、シュペルヴィエル、ルヴェルディ、エリュアール、ボンヌフォワなど。恋、夢、別れ、悲しみ、人生など一応のジャンルわけはしてあるが、ダダの詩なども訳されていて、人生処方詩集というより、詩の愉しみを味わえる本になっていた。解説で、本書に収録されていない詩人についてもいろいろ紹介されていて、楽しかった。2016/05/11
unknown
0
アポリネール「とてもいとおしい僕のルウよ」の官能性のリフレインが素晴らしい。また、鬱々とした内面というかやりきれなさを浮き彫りにするかのようなミショー氏の三編がいずれも個人的に引っかかるところがあり、興味が沸く。2011/02/05
unknown
0
【備忘】アポリネール「とてもいとおしい僕のルウよ」「地帯」 / クノー「厳かな歌」「詩法のために」 / ミショー「占領」「ぼろ屑」「怠惰」 / ジャム「悲歌十四番」 / デスノス「蟻」2011/01/28