出版社内容情報
漱石、鴎外、芥川など名だたる文豪が書いた「妙な話」を集めたアンソロジー。人間の心の不思議に迫る異色のミステリー10篇。
内容説明
夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、梶井基次郎、佐藤春夫、谷崎潤一郎、久米正雄、太宰治、横光利一、正宗白鳥ら日本文学史に名を残す10人の文豪が書いた「妙な話」を集めたアンソロジー。病院で聞いた「変な音」、突如消えた時計など日常に潜む謎から、盗みや殺人をしてしまう犯罪心理まで、「人間の心の不思議」に迫る異色のミステリー。
著者等紹介
山前譲[ヤママエユズル]
1956年、北海道生まれ。推理小説研究家。ミステリー評論家の新保博久との共編著『幻影の蔵 江戸川乱歩探偵小説蔵書目録』で2003年に日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞。数多くの文庫解説の執筆、アンソロジーの編纂に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まあか
47
どれもとても面白かった。特に太宰治の「日の出前」がお気に入り。最後の一文が良かった。知らない作家&知ってはいるけど初めて読む作家に出会えるから、アンソロジーは素晴らしい!最近は新作ばかり読んでいて、文豪作品に触れていないので、読むようにしていきたい。2022/08/17
いちろく
28
名だたる近代文学作家の妙な話を集めた一冊。表紙のミステリーアンソロジーという言葉に引きずられたけれど、解説にあるように「一般文壇の作家たちから、探偵小説味のある作品をセレクトした」、という印象がピッタリであり読んで腑に落ちた。まさに「味」なのだ。既存のミステリというカテゴリに縛られず、著名な作家が描いた短編作品として楽しむと、違った印象だった可能性もある。その点は後悔があり、私のミスだった。また、期間をあけて再読すると違った印象を持つかもしれない。2023/02/23
くさてる
17
昭和の文豪の作品から「人間の心の不思議」を描いた短篇を集めたアンソロジー。古めかしいものが多いかなと思ったけれど、夏目漱石「変な音」芥川龍之介「妙な話」太宰治「日の出前」はさすがの内容で楽しめました。2022/05/15
Inzaghico
10
この本で一番読みたかったのが、正宗白鳥の「人を殺したが…」だった。高校時代、図書館でタイトルを見て以来ずっと気になっていたのだが、その後なかなか出会えなかった。この本に収録されていて、ようやく読めた。……こんな気持ちの悪い話だったのか。タイトル通り、主人公は人を殺したのだが、運がいいのか悪いのか、それがバレなかったり、いい方向(?)に行ってしまったり。主人公はどんどん追い込まれて精神がおかしくなっていく。本書で一番長い作品だが、いやはや、なんとも奇妙な読後感だ。2022/03/14
あられ
9
旧twitterで教えていただいた本、自分からは読まない種類だが、おもしろく読めた。ふつうは文豪とか拒否反応なんだが、感想を読んで、おもしろそうと思ってポチってよかった。ミステリーとか推理小説の定義がなかったころのミステリー。←あってる? ホラーっぽかったり、自己が壊れていきそうなのがあったり。多少、古くて、読みづらいのもあったけど。もう1冊ポチったのは、読めるかなぁ。。。2024/04/26