河出文庫
小説 真夜中の弥次さん喜多さん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 217p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309407395
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「江戸ってなぁ、紙みてえにペラペラだ」弥次さん喜多さんはなぜお伊勢参りの旅に出た?弥次さんはなぜ女房を捨てた?漫画では描かれなかった旅の秘密に迫る、宮藤官九郎初監督の映画原作。リアルを求める旅の行方は…。

著者等紹介

しりあがり寿[シリアガリコトブキ]
1958年生れ。『時事おやじ2000』『ゆるゆるオヤジ』で第46回文芸春秋漫画賞、『弥次喜多inDEEP』で第5回手塚治虫文化賞「マンガ優秀賞」を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うりぼう

30
松丸本舗の三冊屋、最後の1冊。エアリーなのだ。元は漫画、映画にもなり、どちらも未知ですが、皆さんの感想では、小説の方がシュールで暗澹としている。クプクプの海の冒険に始まり、SFの銀河をヒッチハイクし、最後に伊勢参り、エアリーは飛翔を続け、リアルと幻覚が錯綜する世界へといざなう。ガリバー旅行記か。始まりが彼岸と此岸を行き来し、3つのお宿で、自己否定、自己解放、自己陶酔の極致を見せ、間奏では、鏡像、苦い思い出、羞恥心を挟む。その後に巨大な力に対する無力感、初恋の終わらぬ想い出、あまりの平和さへの呪いと続く構成2012/09/12

三柴ゆよし

10
漫画という媒体で表現出来なかった部分を、ちゃっかり表現しちゃってる。それにしても、漫画版はこんなに暗かったっけか。お伊勢参りの旅自体、シャブ中の妄想、あるいは「旅のはじまり」の時点で既にふたりは死んでいるのかもしれない。そう考えると、ほとんどホラーだよこれ。怖い、怖い。あと、『パプリカ』のクライマックスを髣髴させるパレード・シーンは圧巻の一言。2009/04/05

樹999

6
映画や漫画はコメディ路線が強かったが、小説版は絵や映像による「軽さ」を剥ぎ取った重暗い「リアル」と「非リアル」だけが残り、ひたすら怖かった。序章「旅のはじまり」の冒頭だけがリアルだと確信できる部分だったが、それ以降は彼らの旅路の何もかもがリアリティを伴わず、ほとんど「何がなんだか分からない」。本文中に幾度か出てきたこのフレーズがこの混沌そのものの世界観をよくあらわしていると思う。支離滅裂に見えてそうでない、シュールだけど深い。漫画や映画より、この作品においてはこの小説版に出会えてよかったと思う。楽しめた。2010/10/05

メグメグ

4
なんだかすごかった。シュールで支離滅裂。作者の漫画の世界を何倍も濃ゆ〜くした感じ。弥次さんと喜多さんには、永遠に旅を続けて欲しい。2009/09/30

てっしー

3
サイケデリック東海道中膝栗毛。映画や漫画の知識は一切なく、東海道中~について知りたくて読みました。結果は…(笑)ストーリーはおそらく原作にほとんど沿っていないと思われますが、エッセンスは近いのではないでしょうか?現代人がこれを読んでいるような感覚で、江戸時代の方々は十返舎一九を読んでいたのではないか、と想像しました。頭がクラクラしました。でも、もう少し艶っぽいのが読みたかったかな。 2012/05/24

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