血液の物語

血液の物語

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  • サイズ B5判/ページ数 486p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309251226
  • NDC分類 491.321
  • Cコード C0040

内容説明

血液はなぜ巨大なビジネスと化したか。この“不思議な液体”と医学、文化、戦争、国家、経済とのかかわり、そして肝炎やエイズ禍、拡大化した血液産業など、血液の現状に警鐘を鳴らした全米で話題の書。日本を含む世界9か国を取材し、6年という年月をかけた第一級の大型ノンフィクション。

目次

第1部 血液と人間(十七世紀の輸血―おとなしい家畜の血を人間に;瀉血万能の時代;近代的輸血医学の幕開け―輸血方法の改善、血液型の発見、抗凝固剤の開発)
第2部 血液と戦争(血液供給システムの整備;大戦前夜;戦争と血液―大量生産される戦時物資、血漿;血液製剤の開発―負傷兵にアルブミンを;前線は全血を要求する)
第3部 血液と経済(内藤良一―戦後日本血液事業の雄;エドウィン・コーン―人類に血液成分療法をもたらした人物;血は商品か?―50年代‐60年代の血液事情;血液業界と肝炎―1970年代アメリカの血液事情;国際化する血液産業;血液産業複合体―アメリカと世界を結ぶ血漿ネットワーク;エイズ発生;検証―なぜ有効な薬害エイズ対策がとられなかったのか;裁きの日)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はなよ

27
血にまつわる歴史については、この本一冊読めば理解出来るってぐらい網羅されている。ただ、その分長いし、様々な国の出来事を紹介しているため、沢山の人名が出てきて混乱する事も。毎日少しづつ読むのがいいかも。前半は技術の発展が直接人の命を救う事になるけど、後半になると、大量採取と大量保存の技術が確立された事で病気(エイズ)が流行する原因になってしまう。機関同士の責任のなすりつけあいや、機関の利益を優先したがゆえに感染者が増えてしまうなど、技術の進歩がかえって人を傷付けてしまう事態に陥ってしまう。(続く2018/04/30

CCC

10
輸血の歴史本。欧米だけじゃなく南米やアフリカ等にも視線が向いていて、歴史を総ざらいしようという努力が感じられた。日本の言及部分もけっこう多い。製薬会社や各国政府の事情、著名人のエピソード、戦争とのかかわり、売血、肝炎、エイズなどトピックは網羅的で幅広かったが、それだけに代替療法についての言及がなかったのはすこし残念だった。瑕疵というほどのものでもないけど、知りたかったことのひとつだったので。2020/08/05

デビっちん

5
マクロな血液の流れを追っていくと、人類がどういう段階を踏んで血液について理解を深めてきたか、そして医学がどう発展してきたのかがわかる。古くは血液を単なる液体や体の構成要素だけではなく、自分たちの姿や知性が反映された一種の宗教的なモノとみなしていた。血液の構成や輸血技術の進歩、戦争との関わりから血液は産業的になっていった。輸血の拡大により多くの人が助かるようになった反面、経済を優先する一方でずさんな衛生態勢で肝炎やエイズが広がったという側面も見逃せない。教科書には記載されていない日本の歴史も垣間見えた。2015/12/05

もだんたいむす

1
古代から現代の人間が血液の関わりを書いた本。エイズの話も載ってる。2013/10/23

ピエール

0
昔の人の血液に対する考え方から現代の血液の問題に至る、血液の歴史の本です。薬害エイズや肝炎が輸血によって起こった事はとても恐ろしいけれど、それ以上に怖いのはそれを見過ごしてきた政府、製薬会社、血液銀行だと思います。血液の安全がこれからも厳格に守られていくことを望みます。2009/10/18

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