狂人の二つの体制 1983‐1995

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309243115
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

未収録の論考・対談・インタヴューを編んだドゥルーズ思考集成。「抵抗」「民衆」、そして「友情」―新たな発見へ導く最晩年の思考。

目次

『ニーチェと哲学』アメリカ版への序文
『シネマ』第一巻、封切り
観客としての哲学者の肖像
今日の平和主義(ジャン=ピエール・バンベルジェとともに)
六八年五月「革命」は起こらなかった
宇野への手紙―いかに複数で書いたか(フェリックス・ガタリとともに)
ヤーセル・アラファトの偉大
ミシェル・フーコーの基本的概念について
内在性の浜辺
彼は群groupeの中のひとつの星だった〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

13
ドゥルーズ最晩年の単行本未収録文章の集成。フーコーとの共鳴はさらに深まり、メッセージの暴力性、規律訓練からコントロール社会へという流れを見出だすと共に、映画の考察から概念の地理学に次々独創的な創造をもたらした豊かな成果が収められている。とりわけ、哲学を何らかの真理への従属ではなく、概念を創造することによる新空間の切り開き、芸術だと語る「創造行為とは何か」など、明快な分かりやすさと鮮烈なイメージが両立している。ドストエフスキーと黒澤を繋げる切迫した状況というモチーフの指摘なども面白い2013/11/17

マウリツィウス

11
ドゥルーズの示した現代思想超越原則論はポストモダニズム到来を《神の死》言説の仮設実現により統一価値観を終焉させ古典神話幻想文学化を指摘、《神話》とは共有言語にして共通基盤、即ち前思想=ロゴス以前だと定義すべき領域にてミュトス効力を復活させていく。そして導き出された連鎖反応は思想領域の限界性も是認、虚構界としての記述を徹底させることで思想の文学化を発現した。ゴダールら映画臨界作品を自由自在に参照投入する超絶技巧は近代までのドグマ的唯物論への反証命題で、そのコアとは神話/現代思想/現代神話の三軸を固定化する。2013/05/22

辻薫

0
「『シネマ』第一巻、封切り」(廣瀬純訳)/「観客としての哲学者の肖像」(野崎歓訳)/「『運動イメージ』アメリカ版への序文」(廣瀬純訳)/「脳、それはスクリーンだ」(鈴木創士訳)/「創造行為とは何か」(廣瀬純訳)/「声がテクストにもたらすもの……」(廣瀬純訳)/「『ベルクソンへの回帰』アメリカ版のための後書き」(鈴木創士訳)/「『時間イメージ』アメリカ版への序文」(廣瀬純訳)/「リヴェットの三つの環」(守中高明訳)2019/01/07

euthanasia

0
「じつにすばらしい、これはじつにすばらしいひとつの死である。」(p.101)2012/06/29

sayya

0
リヴェットに関する批評が目当て。非現実的なものと化した現実世界から、世界を取り戻すための映画の企てというお話。2010/11/28

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