東北の再発見―民衆史から読み直す

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309225876
  • NDC分類 212
  • Cコード C0039

内容説明

飢餓の大地に生きる人びとの語り継がれる記録から、東北人の実像に迫る。歴史に学ぶ、東北の未来。

目次

第1部 東北の隠れた先人たち(もう一つの東北人論―東北はどんな人を生み出したか;飢餓の風土の生きて―天文山前原寅吉;語り継がれた東北の人びと―保阪嘉内・宮沢賢治・前原寅吉;賢治の国柱会とベジタリアン大祭―国境を越える構想)
第2部 東北日本の近代史(東北史への視点―先住民の文化から;地震・津波の一世紀―東北被災史;日本民衆史の北限と南限―内なる差別構造;新たな民衆像の創出を―民衆史研究の意義)
第3部 民俗誌を現代にいかに生かすか(優しい東北の山の人びと―マタギとともに;水俣川流域の民俗誌―胸を打つ無名者の証言;庶民のこころと情報革命;秩父事件への小さな疑問から;秋田事件の再評価をめぐって―自由民権運動の志に学ぶ)
第4部 東日本大震災に思う(3・11から何が変ったか;内部被曝の怖ろしさ―ヒロシマとフクシマと水俣)

著者等紹介

色川大吉[イロカワダイキチ]
1925年千葉県生まれ。歴史家。民衆史・自分史の提唱者。東京大学文学部国史学科卒業。東京経済大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリー

62
歴史を見る新たな目を開かされました。この本を読み終えた今となっては、歴史の教科書やNHKの大河ドラマの視聴などによって私が身につけた歴史観は、知らず知らずのうちに、ある意味洗脳によって獲得したものだったのではないかとすら思えます。この本で初めて知った「民衆史」という概念にはそれほどの衝撃が私にはありました。中央によって葬り去られた辺境の民衆の声に耳を澄まし、地域の歴史を知る試みをこれからも続けていきたいと思います。2020/08/04

壱萬弐仟縁

6
3.11後の本で価値がある。民衆の苦痛から救うのに心砕いてきたのは、安藤昌益、菅江真澄、小田為綱、宮沢賢治らであったという(42頁)。飢餓と書いて キガジ だという(53頁~)。時代(全体主義、軍国主義、民族主義)が汲々としている最中、賢治は全世界から民族や国家や階級や職種や文化の違いをこえて、交流していく流儀には、著者は驚いている(103頁)。寄らば大樹の陰では何も変わらず、英雄史が民衆史を凌駕するぐらいの勢いがないといけないか(134頁)。福澤諭吉魂が反映される民衆史は魅力的に映った。被災者の本音も。2013/03/30

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