出版社内容情報
文化大革命の嵐が吹き荒れる中、愛と革命の夢を抱く男女が旧勢力と対峙する。ノーベル賞候補と目される作家の魔術的リアリズム巨篇。
内容説明
文化大革命の嵐が吹き荒れるなか、血気盛んな人民解放軍の若者・高愛軍は、故郷の貧村・程崗鎮に復員し、美しき人妻・夏紅梅とともに革命を志す。中国古来の価値観が残る村は、対日抗戦の殊勲者たる名家の人々が支配していたが、現状に不満を抱く若者たちを煽動して革命委員会を樹立し、村幹部を追放し実権を掌握していく。アメリカ帝国主義、ソ連修正主義に囲まれ、世界的な反中国の逆流のなか、マルクス、レーニン、スターリン、毛沢東ら、革命の聖人たちを奉じ、愛情の力で邁進する二人。やがて二人は愛軍が掘った「愛のトンネル」を通って夜な夜な逢瀬を重ねることとなる。近年ノーベル文学賞の候補と目される最重要作家による、セックスと革命、血と涙と笑いが交錯するドタバタ狂想讃歌!!
著者等紹介
閻連科[エンレンカ]
1958年中国河南省嵩県の貧しい農村に生まれる。高校中退で就労後、20歳のときに人民解放軍に入隊し、創作学習班に参加する。80年代末から小説を発表。軍人の赤裸々な欲望を描いた中篇『夏日落』(92)は、発禁処分となる。その後も精力的に作品を発表し、中国で「狂想現実主義」と称される長編『愉楽』(2003)は、05年に老舎文学賞を受賞した。一方、長篇『人民に奉仕する』(05)は2度目の発禁処分となる。さらに「エイズ村」を扱った長篇『丁庄の夢』(06)は再版禁止処分。大飢饉の内幕を暴露した長篇『四書』は大陸で出版できず、2011年台湾で出版された。09年には父の世代への追憶を綴ったエッセイ『父を想う』がベストセラーとなる。2013・16年国際ブッカー賞最終候補、2014年にはフランス・カフカ賞受賞
谷川毅[タニカワツヨシ]
1959年広島県大竹市生まれ。名古屋経済大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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