出島の千の秋〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309206882
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

江戸時代の長崎出島。オランダ商館書記、医師志望の娘・織斗、謎の尼寺を司る藩主が繰り広げる空想活劇。ブッカー賞最終候補。

【著者紹介】
1969年イギリス生まれ。英語圏で最も注目されている作家の一人。本作のほか、おもな長篇に『ナンバー9ドリーム』『ブラック・スワン・グリーン』『ヤコブ・デ・ゾートの千の秋』など。

内容説明

寛政11(1799)年5月9日、若き産婆・藍場川織斗は長崎奉行の愛妾・川蝉の息子を難産の末、無事取りあげる。一方、オランダ商館に赴任した事務員ヤコブ・デズートは、商館長の懐刀として活躍しながら、淡い恋心を織斗に抱く。ペリー来航に先立つ1800年代前後の長崎出島を舞台に、オランダ商館長フォルステンボース、博識かつ公正なる医師マリヌス、新時代を夢見る通詞・緒川宇佐衛門、不知火山の比丘尼坊を支配する峡河藩主・榎本僧正のほか、杉田玄白、前野良沢など、虚実ないまぜののありうべき物語が華麗かつ自在に繰り広げられる。日本にも馴染みの深い著者による、ブッカー賞最終候補の最高傑作、ついに刊行!

著者等紹介

ミッチェル,デイヴィッド[ミッチェル,デイヴィッド] [Mitchell,David]
1969年イギリス・ランカシャー生まれ。18歳からバックパッカーとしてインド、ネパールなどを旅し、ケント大学で比較文学を学んだのち、日本語教師として8年間広島に滞在する。デビュー長篇GHOSTWRITTEN(1999)で注目を集め、2作目の『ナンバー9ドリーム』(2001)が英ブッカー賞最終候補となる。2004年『クラウド・アトラス』が再びブッカー賞最終候補に選ばれたほか、ネビュラ賞、アーサー・C・クラーク賞にもノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

53
待ちに待った『ボーン・クロックス』の邦訳刊行記念に予習として手に取った。大傑作SF『クラウド・アトラス』の作者が描いた、「鎖国時代日本の出島を舞台にした長篇」と聞いて前々から気になっていた作品。登場人物が多くストーリーラインが曖昧な前半を乗り越えた途端、不思議なほど物語の虜になった。これまた傑作の予感!流石はブッカー賞候補作。間を措かずに下巻へ。猿のジョークに失敗したヤコブ君可愛すぎな。2020/08/19

星落秋風五丈原

30
中のスピンも表紙と同じ水色。寛政の頃の日本の出島にやってきたオランダ商館の書記・ヤコブ・デズートが故郷に婚約者アンナがいながらも聡明な医師志望の娘・藍場川織斗に恋をする。これって主人公ヘタレの設定ですよね。周囲の人に何度も「愛人はだめ」「赤毛紅毛はだめ」と止められる。藩主にして謎の尼寺の座主・榎本僧正ってモデルは誰?2016/03/07

河内 タッキー

10
上巻なので全体的なところで。どんな作家かわからず読んだので、時代小説なのか、SFなのか、アクションものなのか、純文学なのか、先入観なく読んだ。おかげで半分以上どう読むべきか戸惑いながら進んだ。それを越えると登場人物のキャラクターがはっきりしだしてきて面白くなってくる。とは言えまだ話は始まったばかりの感。下巻から盛り上がってきそうだ。あと帯のポスト・イシグロ世代云々というのは全く関係無さそうだ。土屋政雄の訳という共通点だけだろう。2017/12/29

Lila Eule

10
著者は、英国生まれで広島で日本語教師を8年していたらしい。原文は英語だそうだが、自然な日本語に翻訳されていて見事な江戸時代劇になっている。驚きだ。長崎に無数の煙突、九州山中の積雪、寺に毛布など時代風俗考証で少し気になったが、寛政の日本と植民地支配の世界情勢の凝縮が面白い。史上初の株式会社で世界の価格を支配していたオランダ東インド会社での出世争い、私利私欲ぶりは企業小説。鎖国行政と開化探求は歴史小説。その噛み合いは面白い。2016/01/05

すけきよ

10
『ナンバー9ドリーム』『クラウド・アトラス』と読んでるけど、デイヴィッド・ミッチェルはいつもおんなじ感想なんだよなぁ。物理的に厚いのに、内容がなんか薄味。過剰なまでのサービス精神で次から次へとエピソードが投入され、一時足りとも飽きさせず、しかもリーダビリティがいいのに、イマイチ読後感が薄いのはなぜだろう……。作者は日本で長く生活していたこともあってか、日本を舞台にしたものが多い。しかも、日本人が読んでも不自然さがない。今回は長崎の出島が舞台の時代劇だというのに、おかしな部分は感じない。【つづく】2015/11/19

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