出版社内容情報
「我々は、人間どもに奪われたことばを取り戻さなきゃならないのだ」――「動物」たちの叫びを著者独自の視点でえがく、最新小説!
【著者紹介】
1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞優秀作を受賞しデビュー。『優雅で感傷的な日本野球』で三島賞、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎賞を受賞。
内容説明
「ことば」を奪われたものたちが、いま、立ち上がる。本日未明、政府は「開戦」を宣言しました。著者が「動物」たちへ贈る最後の書、刊行!
著者等紹介
高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951年広島県生まれ。作家、明治学院大学教授。81年「さようなら、ギャングたち」でデビュー。88年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞、06年『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』で第16回宮沢賢治賞、12年『さよならクリストファー・ロビン』で第48回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミーコ
34
初読みの作家さん。うーん 私には合わなかったです。読んでて、しんどかった・・・。教訓めいたお話❓ 読解力の問題かも知れませんが モヤモヤが残る1冊でした。2018/07/07
くみこ
24
様々な種類の動物が擬人化して、格差社会や夫婦の問題を饒舌に語ったり、ある日突然宇宙戦争が始まったと思ったら、「変身」よろしく、目覚めたら人間になっていた動物の話、人間が消えた世界で言葉と文明を手に入れた犬達の苦悩。読み易かったのは、著者が、動物への視点と死生観を記した最後の部分だけでした。「恋する原発」、「さよならクリストファー・ロビン」の挫折感ふたたび。読み手としての実力不足を実感してます。2019/07/08
梟をめぐる読書
13
「ことば」を手にした「動物さん」たちと私たち「現代人」の孤独な姿とが奇妙な形で重ねられつつも豊かな共振を見せる、ユーモア群像短編集。デビュー作以来のことではあるがポップな文章のうちにもやはり一抹の叙情が潜んでおり、読後には「ことば」を持たされてしまった「動物」としての人間の悲哀を噛み締めずにはいられない。あと自身の評論スタイルを参照しつつ「動物」たちへと向けてアップデートされた「文章教室」に載っている動物パロディ短歌がどれも秀逸。「死に近き卵に添寝のしんしんと遠河の海豹天に聞こゆる」(詠み手:雄ペンギン)2015/04/13
スプリント
11
短篇集です。ウィットに富んだ作品が多く、「文章教室」の連作がなかでも印象にのこりました。表題作「動物記」は著者の経験を書いたエッセイだと思いますが、動物への接し方に若干引いてしまう内容でした。2015/06/15
eipero25
9
何十年ぶりかの高橋源一郎作品。 評価が分かれていますね。 あたしは、好きではなかった。 総じてつまらんけど、ところどころに入る動物うんちくはおもしろい。 最後の動物記は、1人称の動物虐待的な短編だけど、フィックションでしょ? 気持ち悪い。2016/09/06