文芸誌編集実記

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  • サイズ B6判/ページ数 211p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309022857
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「文藝」配属。金なく人脈なく、文学愛あるのみ。作家との切り結びから、誌面作りの苦労話まで。名物編集者による肉声の文学史。

【著者紹介】
1933年長崎県生まれ。早大卒。文芸評論家。61年、文芸誌「文藝」の復刻スタッフとして河出書房新社に入社。65年「文藝」編集長に就任。79年、作品社設立に参加し、文芸誌「作品」を創刊したが、7号で休刊となる。81年、福武書店に入社し、「海燕」創刊編集長、取締役出版事業本部長を歴任。94年退職。著書に『ちゃんばら回想』(朝日新聞社)、『昼間の酒宴』(小沢書店)、『決定版 百冊の時代小説』(文藝春秋)がある。

内容説明

全身編集者、魂の記録。後発文芸誌「文藝」の編集部に配属、そして編集長に。金はない、人脈もない、あるのは文学への愛と情熱のみ。作家との真剣な付き合いから、誌面作りの細かい苦労話まで。エピソード満載で綴られた、名物編集者による肉声の文学史。

目次

「文藝」復刊―一九六二年
「文藝の会」―一九六二年後半
同世代の四人の作家―一九六三年前半
坂本一亀の編集長辞任―一九六三年後半
文芸内閣組閣―一九六四年
編集長に命じられる―一九六五年前半
通夜と葬儀の間―一九六五年後半
江藤淳vs.吉本隆明―一九六六年前半
わが編集者生活の二つの収穫―一九六六年後半
会社倒産から再生へ―一九六八年
特別対談「文藝」復刊のころ(坂本一亀×寺田博)

著者等紹介

寺田博[テラダヒロシ]
1933年、京都府に生まれ、その後すぐ長崎県島原市に移る。早稲田大学卒業。スタイル社、學燈社を経て、61年、河出書房新社に入社。65年、『文藝』編集長就任。76年、河出書房新社退社。79年、作品社を立ち上げ、文芸誌『作品』を創刊したが、6号で休刊。81年、福武書店に入社し、翌年、『海燕』を創刊。出版事業本部長などを経て、94年、同社を退社。以後、時代小説の評論家として健筆を振るう。2010年、結腸がんで死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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川越読書旅団

27
昭和八年改造社より創刊した「文藝」、今でこそ五大文芸誌の一つに名を連ね、数々の芥川賞作家を輩出するも、実は昭和三十二年三月号をもち休刊の憂き目にあっていた。休刊から五年後、河出書房新社より「文藝」は復活を遂げ、その復刊の際「文藝賞」が生まれ、数々の作家先生が同文芸誌に寄稿し、その編集に携わった編集長寺田氏の思いが綴られた自叙伝的作品。著名作家陣と寺田氏との肉声のエピソードが実に魅力的に描かれた読み応えありな一冊。2021/06/04

ソングライン

15
文芸誌「文藝」が復刊された1962年、編集部に参加しその後1963年に編集長となった作者の編集記録です。作家への作品依頼、新人の発掘、巨匠の死に対する追悼特集など編集の苦労と掲載された作品に対する3大新聞の書評、それに対する正直な感想が語られます。文芸誌を手に取ったことのない私には、文芸誌の役割、その当時の文学史が理解できる読書となりました。2021/09/16

古本虫がさまよう

4
石原慎太郎氏の原稿入稿苦労話(テープがない時代は「清書」だけで二晩?)やら文壇・有名作家の舞台裏なども綴られている。 石原慎太郎の『行為と死』と三島由紀夫の『喜びの琴』を掲載した「文芸」(1964年2月号)は、なんと増刷して10万部を突破。そんな時代もあったのだ。一端倒産したりもして、ゴタゴタもあるが、編集長復帰となったり……。そのあと、作品社設立や福武書店に転職したり……。論壇にも関与したともいえる石原慎太郎や江藤淳や吉本隆明なども登場して、小説の世界には疎い僕なんかでも面白く読了できる一冊だった。2021/03/26

poefan

2
戦後の純文学は『文藝』(『文芸』)を中心に回っていた。山川方夫のことが印象的。2015/05/06

savasava

2
戦後の文芸誌の変遷について、とても細かく書かれていて興味深い内容だった。当時は戦前派、戦後派という言葉が大きく横たわり、詩、戯曲、小説と作家もそれぞれ区別なく創作している様子を知ると、現在それぞれに何となく分かれてしまっている現状は面白くないし、文芸というジャンルの力の弱さなのかなとも思う。それにしても文芸誌は昔も売れ筋ではなかったのだな、それが意外。2014/08/07

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