内容説明
19歳のオレと39歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた。せつなさ100%の恋愛小説。第41回文芸賞受賞作。
著者等紹介
山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
1978年生まれ。埼玉県在住。国学院大学文学部日本文学科卒業。2004年、『人のセックスを笑うな』で第41回文芸賞を受賞する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
88
「息を吸うのも、歯磨きするのも、駅の階段を上るのも苦痛だ」…恋の終わりに感じるヒリつく切なさを見事に表現していて感情を力強く持っていかれ、叩きつけられた感じ。いろんな感情の積み重ねが人の心の中で思い出となって忘れなくさせていく。「会えなければ終わるなんてそんなもんじゃないだろ」ってその通りだ。このストーリーがまさにそれで胸の内に入っていき、つねられた気がする。ところで猪熊さんの妻の浮気を止めるときの対応は見事だった。このような対応をされたら燃えあがる禁忌のドーパミンも一瞬で冷静にさせられてしまう。2012/12/27
美紀ちゃん
65
会えなければ終わるなんて、そんなもんじゃないだろ。2012/12/30
ぶんこ
57
ナオコーラさんは好きなのですが、こういった題名の付け方や筆名といい、戸惑います。「この世は二人組ではできあがらない」を読んだばかりなので、猪熊さんの勤務先やたまプラーザや二子玉と設定が同じでしたが、この本がデビュー作なのですね。19歳のみるめの気持ちが切なくて、でも確かに笑えない。ユリさんには共感できず、ただただ、みるめ君とえんちゃんとが仲良くして欲しいと思っていたので、エンディングで仄かなあかりが灯ったのかなと少しホッとしました。2016/11/06
sofia
48
山崎ナオコーラ2作目。1作目がよかったから、チャレンジしてみた。この題名はなかなか手に取りにくいし、ふざけた名前(私もコーラが好きだが)だし。でも今まで読まなかったことを後悔。この方の文章好きだ。さらりと読めるが心に残る。2018/05/14
純子
41
作者の名前や小説の題名は個性的過ぎるような気がするけれど、読んでみたらそんなことないよって読み友さんに教えてもらったので挑戦してみました。女性の方が20歳も年上という設定にはびっくりしたけれど、読んでいたら、こういうさらりとした恋愛もあるかもしれないなと思った。ユリの夫もまたユリよりずいぶん年上で、その夫が作った料理を3人で食べるというシュールな場面もあったり、なんだかとても不思議なひとたちでもあった。結局ユリが大人になりきれていない大人なんだろうな。でも、磯貝くんはちゃんと大人になれる気がする。2016/10/30