内容説明
須賀敦子をイタリアに出会わせた町ペルージャ、大好きだったアッシジ、そして「夢で見ただけのような」霧の流れる峠―彼女の心をとらえて離さなかったウンブリア地方の町々をたどる。
目次
夏の匂い
クロウタドリとティベリーナ谷
風と羊と羊飼いと犬
フランチェスコ
小さな丘の町の白くて大きな聖堂
もうひとつの笑顔
エピローグ―なくしたもの
著者等紹介
岡本太郎[オカモトタロウ]
1960年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院イタリア文学科修士課程修了。イタリア、旅、映画、音楽を主なテーマに手がけるライター。写真撮影、翻訳も行なう
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@猫と共に生きる
70
写真に惚れ惚れする。歴史のある街並みが美しい。寂れた感もあるのに、生き生きとしている。言わずと知れた聖フランチェスコ。13世紀に亡くなった彼が未だにこの街に生きている不思議。須賀敦子さんはこんなイタリアの町を丹念に訪ねておられるんだろうなと思いを馳せながら読んだ。やっぱり行きたい!イタリア💘🇮🇹2022/05/02
ann
51
備忘録。行きたい場所のひとつ。須賀敦子さんの筆致にやはり背筋が伸びたことを思い出してる。2016/10/10
micamidica
6
「須賀敦子の◯◯」シリーズ。大竹さんのはそこまで好きではなかったけど、岡本太郎氏のこの作品は良かった。写真も素晴らしいし、須賀敦子という対象とうまく距離が取れているからでしょうか。単にわたしがアッシジを擁するウンブリアの空気が好きだからかもしれません。薔薇色のアッシジの感動の大きさから読メのアイコンにもしてしまっています笑。引用されていた全集の第8巻をまだ読めていないので早く読みたくなってきました。 ただ、須賀さんの書いた後年の文は「さよならの言葉」なんだろうか…その表現には引っかかってしまいます。2019/10/03
エトランジェ
4
悦に入った。須賀敦子全集、本当に買ってしまおうか。そんなことを思った。甘美。法悦。岡本氏の本と同時進行で須賀作品を読み進めると面白いかもしれない。2014/07/15
ik
3
須賀敦子のエッセイを読んでいて、写真もたくさん収録されているしその補助にと手に取ってみたが、意外にもイメージはむしろ彼女の文章から伝わる生々しさをぼやかしてしまうような気がした。2014/09/25