内容説明
きっかけは吉田くんの家出だった。永遠と一瞬が交差する夏2組の夫婦に転機が訪れた…。
著者等紹介
中村航[ナカムラコウ]
1969年、岐阜県大垣市に生まれる。現在、東京・月島に在住。2002年、「リレキショ」で第39回文芸賞を受賞する
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感想・レビュー
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takaC
48
読みやすい物語だったけど、残念ながら自分は感心とか感動とか共感とかは得られなかった。2012/12/03
星群
23
『家出』という名の大人の夏休み。2012/07/19
くろり - しろくろりちよ
23
引っ越して結婚して、義理の母と住んで、義理の友人ができて、その友人が家出して、追いかけて家出して、対決して。とりとめのないようでいて、重要じゃないことなんか何もないような不思議な夏。本気で賭けて本気で勝負して、泣いたり笑ったりして、おとなだけれど子どものころを忘れてない。刹那的に短い夏休みだけれど、どの夏も同じくらい大事な夏のように、今その時を過ごしてる物語。不思議な児童文学だったな。2012/03/23
わった
12
夏休み、と聞くと、大人の夏休みもあれどもやっぱり子どもの頃に経験した長期の休みがイメージとして浮かぶ。家出を追いかけたりゲームをしたりして、4人の大人が大人と子どもを行ったり来たりしながら楽しんでいる様子がとても面白かった。時々大人の顔にフッと戻るのもおかしい。 吉田君が話す長いカメラの分解の説明や、決意表明、禁煙から決意の固い強い人なんだなという印象を受けた。そしてママの決断からも意志の強さと強い決定力が見えた。 私には子どもの表情の話、朝食のエピソードなどから生き方がテーマにあるように思えた。2015/10/17
紅瑠
11
人は自分にとっての重大な決断をするとき、どういう風に決めるのだろう。「僕」は30倍の都営住宅に当選し入籍を決断し、そして「義理の友達」の吉田君は突然、家出してしまう。残された妻、舞子その友達ユキ、夫である僕は夏休みを取って吉田君捜しの旅を計画する。後追いで行く僕の所に「帰ってきたら舞子がいないんです」と吉田君から電話がはいり…。物語は軽妙に進むのでさらっと読んでしまい、吉田君なりに悩んだであろう決断も「そうか」と笑えるのだが、ゲームの勝敗で即決は??私にはできないけど、決断て伸るか反るかではある。ユキ親子2012/05/13