内容説明
呼吸しつづけることだけを自らに課し、川藻のように揺れていた留学時代。皇帝のあとを追って、ものうい廃墟の時間をさまよった晩年の日々。須賀敦子の最初のローマと最後のローマをたどる、大竹昭子の旅最終編。
目次
1 アヴェンティーノの丘
2 カンポ・マルツィオ彷徨
3 サン・ピエトロの聖霊降臨祭
4 マルグッタ街51番地
5 ギンズブルグの家
6 聖天使城へ
7 皇帝の夢の跡
8 ノマッドのように
著者等紹介
大竹昭子[オオタケアキコ]
1950年東京生まれ。上智大学文学部卒業。1979年から81年までニューヨークに滞在、執筆活動を開始するとともに、写真撮影も手がける
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感想・レビュー
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U
27
大竹さんの三部作、旅の最終編はローマ。ここにも、先日よんだ全集の作品が登場。ある作家をたどる紀行文をよむことで、作家にたいするべつな見方をみつけることができ、また新鮮な気持ちで作品を楽しむことができると思った。美しい写真に癒され、イタリアを訪れたくなりました。ああ、いいなあ。2015/08/03
これでいいのだ@ヘタレ女王
16
ローマの地図を見ながら、ローマの街を須賀敦子さんの目線で散策する感じでライターの方が書いた一冊。 観光客目線で無い普通の町の写真集として楽しめた。2014/09/03
スズコ(梵我一如、一なる生命)
11
ローマに飢えていて。須賀敦子は何冊か読んでいたけど、あまり思い入れはなく。というか、ドンピシャに1番自分が読みたいであろう須賀敦子の創作時期を外していたことがわかった。パンテオン、大好きです。2021/09/18
ひとん
6
写真がすごくいい。いつか行きたいイタリアのローマを、旅することができた。2014/12/27
どんぐり
4
ヴェネツィアに次いで2冊目。あとはミラノだ。この本の魅力はローマ中心図と写真を見ながら読むのが至高な味わい方。『トリエステの坂道』に文学の起源は共同体の祈りにあるが、共同体が分散して人が個として祈るようになると、文学と宗教のあいだに溝が生まれたという須賀の言葉を紹介していて、なるほどと思う。2013/01/19