Dr.キリコの贈り物

Dr.キリコの贈り物

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309012841
  • NDC分類 368.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

インターネットで自殺志望者に青酸カリを”宅配便で販売”し、それを買った女性が本当にそれを服用して自殺してしまったという事件の背景を描いている。女性が死んだことを知った、草壁竜次と名乗る送り手もまた青酸カリを飲んで死んだという奇怪な事件である。.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 282頁、より)

内容説明

青酸カリ宅配事件の真実と闇。この事件は、単純な「インターネット犯罪」だったのか!?Dr.キリコこと草壁竜次と最も密接な関係にあり、青酸カリを受け取っていた女性・木島彩子との膨大な量の取材を通して、想像を絶する自殺願望者たちの姿が、いま浮き彫りにされる!この奇怪な事件の背後には何があったのか?1998年12月、東京都杉並区に住む女性が、宅配された6錠の青酸カリ入りカプセルを飲んで自死した。カプセルを送った男も、時をおかず同じ方法で命を絶つ。男の名は、草壁竜次。インターネットの自殺系ホームページ「ドクター・キリコの診察室」の“専属医師”であった。心を病み、死へのすさまじいまでの衝動に襲われる自殺願望者たちの姿とは?自らも自殺未遂を経験し、彼らに生きてもらいたい一心で、青酸カリを贈っていたDr.キリコのパーソナリティとは?「青酸カリは、自死しないためのお守りになる」…キリコをそう確信させたものとは?なぜキリコはインターネットで“治療者”的な行動をとり、ついには自死したのか。

目次

青酸カリを抱いて
『安楽死狂会』誕生
心中しませんか
樹海にて
さまよえる援交少女―「あい」の独白
八百屋お七
生と死の闇―自殺・治療構造・虚無の心理分析

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

choco

23
1998年、青酸カリを自殺念慮のお守り代わりに…とは、自殺しようとした人間にしかわからないのかもしれない。同じ苦しみを持つ人間同士でもインターネット上でのやりとり、ほか、私には理解しがたい内容だったが、被害待児であるあいの話は辛く残酷であった。2015/05/01

金平糖

2
B。2021/04/06

ろ~たす

2
Dr.キリコ事件のノンフィクションとは書かれているが、推察の部分も大きいと思う。ネットの特性として、ハンドルネームを使って掲示板にしろメールにしろ発言した時点で、本人との微妙な差異が生ずる。パーソナリティの一部が切り取られ、他者の独自の解釈に委ねられる。キリコと彩子の関係が象徴的で、リアルでは相容れないであろう二人が、それぞれが勝手に作り上げた幻影と関係していたのだろう。自分の中の理想的な一面、他者に切望する理想的な受容。青酸カリを介して、理想を求めあった果ての破綻なのかもしれないと感じた。2014/08/27

硯浦由咲

2
いつでも出来るという手段があれば、「なら今じゃなくてもいい」と思い止まれるというのは非常に分かる。本書にも出てくる「完全自殺マニュアル」は私はそういうものだと思っていたくらいで。だからあの本を持って樹海に死にに行く人たちが沢山いると連日ワイドショーで騒がれていた時は結構驚いた。また身近な人があの本を読んで自殺をしてしまったこともあり、それにも驚いてしまった。本書の彼は非常に純粋な人だったのではないかと思う。彼にも思い上がりがあるが、けれど彼は本当に救いたいと思っていたのだろうし、信じていたのだと思う。2013/08/22

真珠郎

2
高校生の時に読んだものを再読。1998年に起こった自殺志願者に青酸カリを送り、自らも自殺したDr.キリコ事件のノンフィクション。インターネットが普及し始めたばかりだった当時、それを使った犯罪ということでテレビでよく報道されていたことを覚えている。本書で自殺志願者達のメールのやりとりを読んでいると、日常に不安や不満を持っているのに相手を思いやる優しすぎる文章ばかりなのが不思議な感じだった。2013/07/23

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