出版社内容情報
これまで重視されなかった大鳥のテクノクラート(高級技術官僚)の側面にも光をあてた初の力作評伝。
内容説明
「敗軍の将」旧幕臣・大鳥圭介は、近代日本の「工業教育の父」「高級外交官」として不死鳥のようによみがえった。これまで重視されなかった大鳥のテクノクラート(高級技術官僚)の側面にも光をあてた初の力作評伝。
目次
創造の夜明け―工部大学校開校
旅立ちの朝―医家か、儒家か、それとも…
激震の予兆―医学を捨て、兵学を取る
激浪の沖へ―兵学者から幕臣そして幕府歩兵奉行へ
紅蓮の炎、あがる―仏式軍隊訓練、鳥羽・伏見の戦、幕府崩壊
常在戦場・1―江戸脱出、総州・野州路を紅く染めて
常在戦場・2―野州での血戦、戦雲は暁の空に広がり
常在戦場・3―野州から会津へ、暗雲は北に流れて
常在戦場・4―会津から蝦夷地へ、暗雲は急を告げて
常在戦場・5―蝦夷地から牢獄へ、敗北の響きと怒り
〈敗軍の将〉の再生―“皆一場の夢なり”
〈敗軍の将〉太平洋を渡る―“一生に国是二つ”
工作を開く道しるべとならん“百工ヲ勧ム”
一身にて二世を経る―外交官、日清戦争、そして男爵
不死鳥は舞う―“よしもあしきも夢の一ふし”
著者等紹介
高崎哲郎[タカサキテツロウ]
1948年栃木県生まれ。NHK記者、帝京大学教授、東工大などの非常勤講師を歴任。独立行政法人土木研究所と財団法人河川環境管理財団の客員研究員を経て、独立行政法人水資源機構の客員教授。作家、土木史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
3
町医者の息子大鳥が17歳で医学を学び始め、やがて大阪の適塾、ついで江戸の江川塾へと出て行く。めきめきと頭角を現して藩士に、更に幕臣に取り立てられ、幕府の伝習隊の指揮を任される。戊辰戦争では伝習隊を率い、五稜郭まで徹底抗戦し、敗戦、投獄される。維新後は明治政府に加わり、主に工学教育、外交分野で活躍。敗戦迄で3分の2、その後に3分の1を当て、大鳥の生涯を概観する。戊辰戦争時代と日清戦争に際しての公使時代に詳しい。明治の記述は歴史の流れについて予備知識がないと少ししんどいかもしれない。年表があれば有難いのだが。2018/02/26
吃逆堂
1
文章がひどい。文学というには文章に難があり、評伝というには独自性と批判的視点に欠ける。2011/01/13