目次
1 空間(建築のパラドックス;空間の問題;建築と侵犯;建築の快楽)
2 プログラム(建築と限界;空間とイベント;シークェンス)
3 断絶(狂気と組み合わせ的なるもの;抽象的媒介と戦略;断絶 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
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ラヴィレットはかっての市門、市場、食肉処理場というパリの北東端の歴史的な場所。その地の一画の公園建設の世界デザインコンペが1982年展開された。勝者がベルナール・チェミ。チェミはこの書で書いている、現代建築は形態と機能のミスマッチ。その断絶こそが現代的な建築や都市のありようであり、東京などの機能や形態の無秩序な並置は、積極的に評価すべきだ。書かれている内容はエキセントリックだが、しかし、納得させる言説も多々ある。それは「安定性や機能と形態のマッチを旨とする従来の正統建築理論が崩れている」から、と彼は言う。2021/05/11
引用
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訳が最悪だが、重要なことは最後の講演録にある「建築は例証的なアートではありません。つまり理論の例証ではないのです。(脱構築をデザインできるとは思えません)。新しい都市やその建築の定義をデザインすることもできません。でも、ヒエラルキーに基づかない、伝統とはちがった形の社会を可能とするような条件をデザインすることはできるかもしれません。」というところで、訳者がこの部分を真面目に読んだかどうかは知らないが、当然反ポモ芸の素朴機能主義的な冷笑は的外れということになる。2020/11/10