内容説明
国文学の本質を「もののあはれ」と捉えた論や『古事記伝』の学者としての業績に比し、和歌の方はあまり上手ではなかったというのが通説。しかし、従来の評価とは異なった切り口で和歌の世界を覗き、宣長的感性の本質を新たに浮かび上がらせる。
目次
敷島のやまと心を
いと早も高根の霞
待ち陀ぶる花は咲きぬや
桜花さくと聞くより
山遠く見に来し我を
飽かずとて折らば散るべし
暮れぬとも今はしばし見む
しろたへに松の緑を
かき絶えて桜の咲かぬ
鬼神もあはれと思はむ〔ほか〕
著者等紹介
山下久夫[ヤマシタヒサオ]
1948年鹿児島県生。立命館大学大学院修了。博士(文学)。現在、金沢学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
97
本居宣長の短歌を詳細に解説した書。全く知らなかったのだが、宣長の歌は評価されておらず、下手だと言われているそうだ。確かに笑ってしまうような単純な歌もある。それでも生涯歌を詠み続けて、佳作だと思える作品も残している。宣長が生涯歌を作り続けた理由ははっきりしないが、歌が好きだったことは確かだろう。たとえ下手だろうが、人にけなされようが、何かを作り出すことには喜びがある。歌を詠むことは古の人々とつながる行為でもある。その意味で、「書よめば昔の人はなかりけり皆今もある我が友にして」という歌が一番好きだ。2017/11/20
kaizen@名古屋de朝活読書会
65
#本居宣長 #和歌 敷島のやまと心を人問はば朝日ににほふ山桜花 #返歌 敷島のパンを給食食べ続けやまと心と桜に馴染む 2016/01/16
さり
7
昔の人も私と同じように生きてることに思い悩むことが、神であったり、亡くなった人、物事の仕組みの考察から考えていて、似たような境遇だなとしみじみと感じた。2023/03/24