内容説明
単行本未収録の論考を著者自身が厳選、構成した「論」に、昭和27年来、書き続けてきた書評を、笠間書院でピックアップし、その九割方を掲載。近年の源氏物語をめぐる論考に加え、膨大な書評群により、著者が向き合ってきた、源氏物語の研究史を辿ることができる。
目次
源氏物語の論(源氏物語の世界―光源氏についての断想;螢巻の物語論;播磨前司、明石の入道;玉鬘―六条院における進退 ほか)
書評(武田宗俊『源氏物語の研究』;玉上琢弥『評釈 源氏物語』;阿部秋生『源氏物語研究序説』上;今井源衛『源氏物語の研究』 ほか)
著者等紹介
秋山虔[アキヤマケン]
大正13年(1924年)、岡山県生れ。昭和22年東京帝国大学国文学科卒、同大学院修了。東京大学名誉教授。日本学士院会員。源氏物語ほか女流日記文学などの注釈や作家論・作品論を手がけて平安朝文学研究に寄与した。平成13年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maekoo
6
源氏物語研究の第一人者秋山先生の玉鬘・若菜・柏木・浮舟・等々の深い造型論・物語論・現代語訳論を文学的な美しい論で読める、単行本未収録の厳選した21の論文と、観ることの少ない先生の24篇の書評を愉しめます! 明石の入道や玉鬘の分析等は大変深く物語世界を深める上で大変参考になります。 若菜上巻の源氏の言う「罪もなしや」の発言の論や、召人や形代の論は目から鱗です! 書評は先行する蒼々たる第一人者や研究者の論文の内容を解説しており大変参考になります。(円地訳源氏物語についての評もあり) 源氏物語研究者必読ですね☆2022/07/13