内容説明
司馬懿、師の後を継ぎ、魏を手中に収めた司馬昭。一方、蜀の姜維は孔明の遺志を果たすため、幾度も北伐を試みるが、蜀帝・劉禅との間に生まれた溝は、いつしか決定的なまでに広がっていく。魏の軍勢が蜀の都・成都に迫り、ついに三国の均衡は崩れはじめるが…。はたして覇権を握り、天下統一を達成するのは誰なのか!?100年に渡った激動の時代に、ついに幕が下ろされる。
著者等紹介
内田重久[ウチダシゲヒサ]
1934年北海道旭川市生まれ。東北大学法学部卒業。少年時代からの「三国志」ファンで、会社勤めの傍ら、主に三国志の末期部分に着目し研究を進める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
19
下巻はほぼ姜維が主役で蜀の最末期から滅亡、姜維の最期まで。蜀末期を描いた三国志作品は大体姜維が主人公だけど、どの作品も滅亡年に近づくにつれて姜維の孤独感が半端ない。この作品は姜維の降伏から最期までの過程も割と長く描いてるから寂寥感が一番強く感じる。2021/01/24
誰かのプリン
15
姜維の最後は本書で初めて知りました。今まで司馬昭に降りるのを本意とせず、反抗したがため三族滅ぼされたのだと思っていましたから。読んで良かった。★満点💯2020/10/12
Mzo
12
鄧艾、鐘会、そして姜維らが三国末期に何を考え、何を成し遂げようとして生きたかを描く。彼らが必死に志や野心を掲げてもがく姿にも心動かされるし、この時代を描いた本は珍しい上に面白いんだけど、やっぱり三国志の醍醐味は黄巾の乱から諸葛孔明の死までなのかなぁ。どうせなら晋が呉を滅ぼす過程ももう少し詳しく読みたかったかな。ただ、三国志好きなら読んで損はない作品だと思います。2012/03/13
サチオ
11
読めば読むほど「姜維伯約」物語。しかし、ここまで蜀末を細かに描いた作品はそうないと思います。姜維と魏将達との戦いや逆転を期すための駆け引きは引き込まれた。呉については最後までさらっとしてるので、呉に興味をお持ちの方には別の作品の方が良いかもですが、個性を出し難い現代社会に通ずる処世術は三国志末のこの時代にこそ見出だせるのではないでしょうか。2014/10/07
まえぞう
10
孔明以降も含め三国志は何冊か読んでいます。この作品は丁寧に書いてあって、小説というよりは歴史の概説書のようでした。2015/07/12