内容説明
本書では、自筆譜はもちろんのこと、初版・浄書譜・パート譜など手に入りうる限りの資料を比較・分析して、慣用版の問題点を明らかにし、ベートーヴェンが「第9」に込めたメッセージを探っていく。そのうえで、古今の演奏家がどのように「第9」を解釈し、演奏しているかを、具体的な事例を挙げながら解説し、今後の「第9」像を探っていく。
目次
第1章 「第9」の楽譜を検証する―ウィルヘルム3世献呈稿から見た楽譜の問題点
第2章 「第9」の演奏を検証する―慣用となっていた編曲の実態と問題点
第3章 「第9」の今後を検証する―新たに入手した資料から見た問題点