内容説明
本書にはまず、名称の由来が不確定的ながら、イギリスとの関係がいくつかの点で認められる〈イギリス組曲〉全6曲を収録しました。つぎの、名作〈半音階的幻想曲とフーガ〉二短調は、バッハ自身にとって重要でありまた周囲の評価も高かったため、多数の手稿譜が残されていますが、とくに前奏曲の冒頭20小節で内容がかなり異なる異稿があり、本巻にはそれも収録しました。バッハの作曲技法に影響を与えつづけたイタリアふうの協奏曲形式による〈イタリア協奏曲〉ヘ長調も、著名な1曲といえましょう。そのほか、小前奏曲や小フーガなどを26曲収録しました。楽譜はいずれもヘンレ原典版を使用しています。樋口隆一氏の解説は最新の研究成果が踏まえられています。