出版社内容情報
哲学によって縁取られる我々の「理解」のシステムの「限界」を哲学自体の概念装置によって顕わにすることを通して我々の知のシステムにとっての「外部」、「他者」に迫る道を探る。
内容説明
現代の法学・政治学・倫理学において、「正義とは何か?」という古典的な問いが再び大きなウェートを占めつつある。しかし、「正義はどこから生じるか?」という問いに対して「答え」を出すことはかつてのないほど困難になっている。共同体的な善か、実定法の体系か、あるいは、他者への責任か?ポストモダン系のフェミニズム法・政治哲学の開拓者ドゥルシラ・コーネルは、ヘーゲル弁証法における「善」の探求を起点としながら、それを批判的に継承したアドルノ、レヴィナス、ラカン、ルーマン、デリダの言説を「限界の哲学」として再構築し、アクチュアルな憲法解釈問題に応用することを試みる。
目次
序章 ポストモダニティとはとにかく何なのか?
第1章 否定弁証法の倫理的メッセージ
第2章 共同性の理念に対する「ポスト・モダン」の挑戦
第3章 「屑拾い」の倫理的意味
第4章 善、正、法解釈の可能性
第5章 限界の哲学とシステム理論の関係に対する時間の関与性:司法の責任=応答可能性の召喚
第6章 仮装の暴力:正義を装う法
結論 人間=男性の終焉の倫理的・政治的・法的な意義
著者等紹介
コーネル,ドゥルシラ[コーネル,ドゥルシラ][Cornell,Drucilla]
ラトガース大学教授(法哲学・政治学・女性学)
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
金沢大学法学部教授(政治思想史・社会哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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