内容説明
これは晩年の鏡花世界に照明を当て、想像力の特質を読み解く試みである。美の深化、幻想の熟成、怪異の増殖、それらに切り込む最新の研究成果10編。
目次
泉鏡花『夫人利生記』論―成立背景を中心に
「卵塔場の天女」考
「深川浅景」を読む―地誌的叙述を中心に
「紙芝居」化する世界―「山海評判記」論
挿絵の機能―新聞小説としての「山海評判記」
“物語”の複数性―「龍膽と撫子」と「山海評判記」
問いつめ、引き裂く花―泉鏡花「菊あはせ」論
「開扉一妖帖」とは何か―綴じ込まれた“『鴛鴦帳』の頃”
「斧琴菊」の機構
事件としての意匠―『縷紅新草』論