内容説明
西尾幹二『国民の歴史』は、ほんとうに歴史の本といえるのか?第一線の歴史学者22人が、嘘と欺瞞を全面的にあばき、完膚なきまでに批判する。
目次
第1部 総論(戦後歴史学への危険な挑戦;『国民の歴史』の歴史観;戦後ナショナリズムと「皇国史観」;ニヒリスティックな情念から噴出する「日本」的ナショナリズム ほか)
第2部 各論(『国民の歴史』の誤れる縄文観;魏志倭人伝・日本神話・倭国;東アジアのなかで古代の日本をとらえる;東アジアへの視点を欠いた鎖国論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
11
西尾幹二氏の『国民の歴史』という本を徹底的に批判した本です。『国民の歴史』の出版は1999年ですが、それを批判する本が早くも翌年の2000年に出版されているということは、それだけこの本に危機感を持った識者が多かったということでしょう。『国民の歴史』の内容は、いわゆるネトウヨと呼ばれる類の人達の主張そのままなので、いかにこの十数年で直接的・間接的に『国民の歴史』が社会に悪影響を与えたかが分かります。戦後、教科書に対する攻撃の第一波は1955年に起こっており、『国民の歴史』は第三波の攻撃という位置付けです。2018/01/22