内容説明
たび重なる家族の災厄、教会間・国家間の戦争に翻弄されつづけながらも神聖ローマ帝国数学官としての職務をまっとうし、真の信仰と「世界の調和」を求めつづけたケプラー。天文学に新たな地平を拓いたケプラーの業績とその生涯を歴史的背景に触れながらわかりやすく描く評伝。
目次
第1章 彗星
第2章 宇宙の秘密
第3章 新しい天文学
第4章 世界の調和
第5章 魔女裁判
第6章 夢
エピローグ 証明
著者等紹介
ギンガリッチ,オーウェン[ギンガリッチ,オーウェン][Gingerich,Owen]
ハーヴァード大学名誉教授(天文学・科学史)。スミソニアン天文物理観測所名誉上級天文学者。2006年夏のIAU(国際天文学連合)惑星定義委員会では議長を務めた
ヴォールケル,ジェームズ・R.[ヴォールケル,ジェームズR.][Voelkel,James R.]
マサチューセッツ工科大学ディブナー科学技術史研究所の元特別研究員
林大[ハヤシマサル]
1967年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みのくま
6
本書は良書である。偉人の業績と経歴がコンパクトにまとめられていながら、人物像も読み取れる。このシリーズは入門編として読んでおいて損はない。さてケプラーだが、彼の数学と天文学はプロテスタント信仰が根底にあるという、一見理解しがたい構造になっている。しかしこの不動の信仰心が、後のカトリックによる迫害や母親の魔女裁判とも密接に関係している事は疑うべくもないだろう。本書で大枠のケプラー理解は進んだが、次はプロテスタントとは何かという所を理解する必要がある。それがひいては近代科学とは何かという問いに繋がる事になる。2022/01/13
takao
3
ふむ2023/12/13
メルセ・ひすい
1
14-27 赤32 黎明期の科学とは? 1500年代の西欧 フロテスタントVS.カトリック 騎士の家系と承継と農民 ケプラーにとっての基督教の呪。我が子たちを襲う不衛生な中世の恐怖、死に至るハンガリー熱等の伝染病。科学と宗教の鬩ぎ合い。。中高生に基督教とは…歴史、客観的理解に…必読書。教会間・国家間の戦争に翻弄されながらも職務をまっとうし、真の信仰と「世界の調和」を求め続けたケプラー。天文学に新たな地平を拓いたその業績と生涯を、歴史的背景に触れながらわかりやすく描く評伝。 2010/12/11
スクミリンゴガイ
0
授業用に読了。度重なる苦難にも負けずに“天文学の新たなる地平”を切り開いたケプラーは素晴らしい。“ルドルフ表”の扉絵のところでは不覚にも涙が浮かんでしまった。それにしても中世のヨーロッパは本当にごちゃごちゃしている。2012/06/22