内容説明
1904年ノーベル生理学・医学賞を受賞した最初の生理学者にして最初のロシア人パヴロフ。「条件反射」、「パヴロフの犬」という言葉で知られるパヴロフの業績をわかりやすく伝え、その生涯をロシア革命前後の社会状況や政府との関係とともに描く新しい評伝。
目次
第1章 神学生が科学を選ぶ
第2章 サンクトペテルブルクで苦闘する科学者
第3章 パヴロフの生理学工場
第4章 沈黙の塔
第5章 革命後
第6章 「世界生理学界の王子」
著者等紹介
ギンガリッチ,オーウェン[ギンガリッチ,オーウェン][Gingerich,Owen]
ハーヴァード大学教授(天文学・科学史)。スミソニアン天文物理観測所上級名誉天文学者。2006年夏のIAU(国際天文学連合)惑星定義委員会では議長を務めた
トーデス,ダニエル・P.[トーデス,ダニエルP.][Todes,Daniel P.]
ジョンズ・ホプキンズ大学准教授(科学・医学・技術史)。ロシアの科学および医学の歴史に関する著書や論文多数
近藤隆文[コンドウタカフミ]
1963年生まれ。一橋大学社会学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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oDaDa
7
帝政ロシアから赤の旋風吹き荒れる革命へと、ロシアの激動期を生きた不屈の生理学者。犬の条件付け実験についても詳しく載っており、150ページ程度なのでサラッと読めた。2014/12/01
saku_taka
1
言わずと知れた,パヴロフのイヌ,のパヴロフの短い伝記。当時の写真もいろいろ出ていて面白い。80歳を超えても元気だったとのこと。研究は社会状況に大きく左右される。当時のロシアの政治・経済状況も記述されて,興味深い。お金と人がないと,研究はできない。あと,消化の生理学的研究の(半端ない)蓄積から,偉大な学習理論が構想されたわけで,ぽっとアイデアが生まれるわけじゃないんだなあ。2014/07/24