内容説明
「弱者」という存在が社会と文化の在り方へ向けて投げかける問題の省察を通じて、人間存在の意味に新しい光をあてる。
目次
1 現状に抗して―能力主義を批判するということ(「能力に応ずる」の意味;「能力にかかわらず」の射程;「生命の質」とプライヴァシー ほか)
2 現状の中から―能力主義にたじろがなければ(「障害者」として?「人間」として?;「障害」は邪魔物?;「能力」も所有物? ほか)
3 現状を越えて―能力主義を越えたところにみえるもの(「障害」概念の多様性;共同性の深化拡大;相互関係自体としての能力 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tellme0112
1
言葉は古いが、今いよいよ排除の考え方が進んでるな…と改めて。義務教育、障害児までに拡げられたのは最近なんだなあ。出産前診断とか。発達の考え方、捉え方。成長しない主人公あまちゃん最終回の日に。2013/09/28
おいしんご
0
障害者や高齢者などの「弱者」の排除、差別をいかに無くすか、ということが社会の根本的思想から見直されることを通じて語られている。弱者観だけでなく、人間観、能力観、有用性の転換。とても論理的に述べられていて説得力がある。満足の一冊だった。2016/01/30