内容説明
ベトナム戦争は、20世紀の覇者アメリカにとって建国以来最長の、しかも、はじめて敗北を喫した戦争であった。アメリカの威信は大きく傷ついたが、勝利した当のベトナムをはじめ、社会主義陣営はもっと深刻な危機におちいった。今から思えば、1975年のサイゴン陥落は、89年ベルリンの壁崩壊とドイツ統一のさきがけに他ならない。社会主義体制、そして国民国家の意味と限界を鋭く問う一冊。
目次
1 ベトナム戦争略史
2 ベトナムにとってのベトナム戦争
3 アメリカにとってのベトナム戦争
4 世界にとってのベトナム戦争
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き
3
「この町を救うためにそれを破壊している」 という言葉が池上さんの本に引用されていて、それで図書館で借りて読んでみたが、残念ながらあまり詳しい説明はなかった。ただ、ベトナム戦争の歴史についてあまり知らない人にはそれなりに参考になる本だと思う。ベトナム戦争や、もっと広くインドシナ紛争に関して知りたいならば他にもいろいろと良書が出ていると思うので、いずれそれらの本も読んでみたいと思う。2012/12/22
ELW
0
多分、初めて読んだ大月書店の刊行物になる。おっかなびっくりだったが、予想と違って左翼左翼した雰囲気ではなかった。比較検討してくれるのはいいのだが、「○○とする人もいるが……」と誰かを明示せず、註も参考文献もないのに閉口した。『ベスト&ブライテスト 栄光と興奮に憑かれて』を読んでおいてよかった。2014/03/31
かにーじゃ
0
アメリカは、北ベトナム(ソ連・中国の共産圏)と、南ベトナム(アメリカ・フランスの資本主義)の分離成立を狙っていたということを初めて知った。 その他、ベトナム戦争の背景・実際がだいぶ分かったが、それでもそれぞれ立場の思惑は完全にはよくわからなかった。 後半は、著者の個人的な見解のような感じだったので、結構読み飛ばした。2021/09/18